喫煙、飲酒も原因に?骨粗鬆症「危険因子ランキング」
骨粗鬆症の予防には、若年期から食事をしっかり摂って運動することで骨を丈夫にしておくことが最も重要です。中年期以降になると骨が増えることが難しくなり、徐々に骨量は減少していきます。骨粗鬆症のリスク因子を有する方は、その減り方が大きくなって早期に骨粗鬆症となって骨折してしまうのです。
骨粗鬆症危険因子の頻度は年代により変化します。これらのランキングをみてみると、中年期では、運動不足やCa不足などの不適切な食事、そして喫煙や多量の飲酒が最上位を占めています[図表]。これらは除去可能な因子です。
若いうちから「骨に悪いことはしない」と意識しておかなければなりません。それに対し、高年期では両親の大腿骨近位部骨折歴、糖尿病、自分の骨折既往歴などが上位を占めています。これらは除去不可能な因子です。
運動不足や不適切な食事は下位にランクされ、さすがに高年期になると健康に注意する方が多くなります。しかし、高年期では自助努力だけでは改善できない危険因子が多くなるため骨粗鬆症による骨折を防ぐことが困難になってきます。骨粗鬆症の予防は、若年期から取り組まなければなりません。
骨粗鬆症に対する予防法と治療法
骨粗鬆症に対する治療の基本は食事、運動、そして薬剤です。骨粗鬆症は主に高齢者に発症する病気ですが、若い頃から発症する方もいます。それには骨代謝に関係する疾患やその治療に関連して発生する続発性骨粗鬆症がありますが、注意すべきは過度のダイエットによる骨粗鬆症です。
骨量は30歳代でピークとなり、その後は下がる一方です。若いときにしっかり食事ができていなかった方は、早期に骨粗鬆症になります。また、乳製品が苦手な方も比較的早い時期から骨粗鬆症になります。骨量と運動にも密接な関係があります。なんらかの理由で運動を中止すると骨量は一気に減少します。
運動することで骨を作る骨芽細胞が刺激されて骨形成が促されます。骨粗鬆症の方で「転倒して骨折するのが怖いから運動をやめてしまった」とそれこそ本末転倒で笑えない話があります。骨粗鬆症は、先ず予防です。若いときから食事をしっかり摂って運動しましょう。
薬物は、年齢や骨粗鬆症の状態により、薬の特性を考慮して処方されます。薬物療法は単独で行うものではなく、食事療法と運動療法と併せて行われます。