正規雇用→キャリアアップ→70歳まで働く
▶30代の派遣社員/非正規から正社員になることで収入・年金が大幅アップ
現状
33歳、シングル。派遣社員として働いており、平均賃金(月額)は17万円です。実家で暮らしているので、給与はすべて自分のために使えます。
65歳からの年金受給額の見込みは、
●月額10.5万円(年額約126万円)
いまの働き方を楽しんでいるものの、このまま非正規雇用でいいものか悩んでいます。
対策
家賃がいらないとはいえ、約10.5万円の年金では心もとないでしょう。
まずは非正規雇用から正社員への道を考えましょう。派遣よりも、雇用や収入の面で安定感が増します。
正社員になれたら、次はキャリアアップを目指します。キャリアを磨くことは収入アップにつながりますし、より充実した仕事ができます。
ここでは35歳で正社員として就職し、キャリアアップに成功したとします。すると、35歳から59歳までの平均給与は30万円になります。60歳の定年後も70歳まで働き続け、その間の平均給与は半減すると考えても15万円です。
正規雇用→キャリアアップ→70歳まで働く。この3ステップを積み重ねた結果は、
●70歳からの年金受給額──月額約17.7万円(年額約212万円)
ずっと派遣社員を続けていた場合に比べて、かなり多くなりました。平均的な支出と比べても3万円上回っていますから、少し余裕のある老後生活が送れると思います。
ただ、シングルは老後の面倒を自分で見なければなりません。
介護が必要になったり、両親が他界して一人暮らしになったときは、老人施設への入居を考えるかもしれません。サービス付高齢者住宅などに入るには、ある程度の蓄えも必要です。
給与が上がったのを機に、イデコやつみたてNISAを利用して資金をしっかり作っておきましょう。
長尾 義弘
フィナンシャルプランナー