70歳まで働くスタイルは当たり前に
▶30代共働き夫婦/教育費など大きな支出への備えも
現状
妻30歳、夫34歳の共働き夫婦。ともに正社員で、平均賃金(月額)は妻が22万円、夫は30万円です。60歳が定年ですが、二人とも65歳まで再雇用で働く予定です。
65歳からの年金受給額の見込みは、
●妻──月額約12万円(年額約138万円)
●夫──月額約13万円(年額約160万円)
夫婦の合計は、月額約25万円です。平均的な高齢者夫婦世帯の支出は27万円なので、2万円ほどの赤字。老後の生活はかなり節約する必要がありそうです。
対策
70歳まで働くこと、年金の受給開始を70歳まで繰り下げること。このふたつで老後資金は大幅に改善します。
働いて収入を得ることは日々の暮らしに安心感をもたらしますが、メリットはそれだけではありません。長く働くと、そのぶん厚生年金の受給額が増えていきます。
現在、30歳の人が60歳になるころには、70歳まで働くスタイルが当たり前になっているでしょう。
働いていれば、生活費には困らないと思います。ですので、その間は年金を受け取らず、繰下げ受給を行います。この5年間に、年金もまた増額されます。
すると、夫婦の年金の合計は月額約36万円にアップします。平均支出より約9万円多くなり、少しはゆとりのある生活ができるはずです。
ただし、これは生活のためのお金。病気や介護が必要になった場合に備えて、余裕資金は別に確保したいところです。こちらは貯蓄を心がけましょう。
また、これから子どもの養育費や教育費、住宅ローンといった大きな支出があることも予想されます。とくに、教育費は想像以上に負担が大きいものです。大まかにいって、子ども一人あたり2000万円くらいはかかると考えていてください。
もっともお金がかかるのは大学入学の時期ですから、それまでにできるだけ用意しておきましょう。つみたてNISAなどを活用するのがおすすめです。