8月の香港・中国株見通し…キーワードは「個別株」と「政策相場」 (※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

香港市場

7月回顧…緩やかな下落基調が続いた

香港市場は、積極的な買いにつながる目新しい材料を欠くなか、利益確定売りが優勢となり、月初から下落基調が続いた。

 

ハンセン指数の終値は15日に、5月26日以来約1ヵ月半ぶりの安値を付けた。21日時点、サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の中国マネーの買い越し額は約9億HKDにとどまり、6月の約534億HKDから大幅に細った。

 

個別銘柄では、筆頭株主が一部保有株の売却を発表したテンセント(00700)は冴えない動きとなった。一方、ディフェンシブ銘柄の中国電信(00728)など通信大手は堅調だった。

 

8月見通し…「森より木を見る」業績相場へ

【予想レンジ】

ハンセン指数:19,000~22,500pt

 

[図表1]ハンセン指数

 

8月の香港市場は森より木を見る展開になるか。

 

6月中間期の決算発表が本格化するため、業績動向を手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。新型コロナ対策の都市封鎖による企業活動の停滞は4~6月期の業績悪化に繋がりかねないと見られている。

 

ただ、企業業績は4~6月期に底打ちし、下期に回復に向かう期待感が高まれば、業績内容に好意的に反応する可能性もあろう。17日はテンセント、薬明生物技術(02269)、18日は吉利汽車控股(00175)が決算を発表する予定。

 

19日には、ハンセン指数構成銘柄の見直し結果が発表される見込み。

中国市場

7月回顧…戻り一服、利食い売り膨らむ

7月の中国市場は買い優勢でスタート。上海総合指数は5日に約4ヵ月ぶり高値の3,424ptまで上昇し、深セン成分指数も13,121ptまで買われた。

 

ただ、新型コロナの感染再拡大による行動規制や住宅ローン不払い問題などへの懸念が高まり、月後半にかけて利益確定売りが目立った。中国の4~6月期GDPが前年同期比0.4%増と、市場予想の1.2%増を大きく下回ったことも相場の重しとなった。

 

海外勢は、前月の大幅買い越しから一転、総じて売りに転じた。

 

浙江三花智能控制(002050)が19日に上場来高値となる30.60元まで上昇した。

 

8月見通し…戻りを試す展開か、政策相場に期待

【予想レンジ】

上海総合指数:3,150~3,500pt

深セン成分指数:11,500~14,000pt

 

[図表2]上海総合指数

 

8月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそうだ。近く開催予定の米中首脳会談で関税の一部撤廃が実現すれば、これまで消極的だった海外投資家(7/1~21まで239億元売り越し)による資金再流入のきっかけとなろう。

 

また、景気減速の懸念が強まるなか、インフラ投資のさらなる後押しが予想され、建機大手の三一重工(600031)などに注目したい。6月中間期での好決算銘柄への物色も進みそうだ。歌爾(002241)は前年同期比で最大40%増益、上海璞泰来新能源科技(603659)は同最大83%増益見通しをすでに発表済みだ。

 

 

東洋証券

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奥山 要一郎

 

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東洋証券株式会社
 上海駐在員事務所 所長

上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。通信社、コンサルティングファームを経て、2007年東洋証券入社。本社シニアストラテジストを務め、2015年より現職。中国現地で株式動向のウォッチや上場企業取材などを行い、中国株情報の発信・レポート執筆を手がける。

著者紹介

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