※画像はイメージです/PIXTA

「銀行の口座凍結=被相続人の死亡日(死亡届の提出日)」と誤解している方が多いですが、自動的に口座が凍結されることはありません。被相続人が死亡したことによって銀行の口座凍結をされると、振込や引き落としはできなくなり、該当口座は元に戻りません。該当預金口座の名義変更や払い戻しの必要があります。本記事では、口座凍結の手続きの方法について基礎から解説していきます。

銀行の口座凍結解除の方法は遺言書の有無で異なる

銀行の口座凍結を解除する手続きは、「遺言書あり」なのか「遺言書なし」なのかで流れも必要書類も異なります。どちらのケースでも、口座凍結の解除申請をして払い戻しをされるまでは約2週間かかります。

 

一方で、必要書類を準備するまでの時間は大きく異なります。また、銀行によって必要書類が変わるため、必ず該当銀行に問い合わせをしてください。ちなみに銀行口座凍結の解除で必要な提出書類が少なくスピーディーなのは、「公正証書遺言がある場合」です。

 

もしこの記事をご覧のあなたが「被相続人」となる立場の場合、残されたご家族の負担を軽減するためにも「公正証書遺言」の作成をおすすめします。 

 

銀行の口座凍結を解除する方法【遺言書なし】

まずは被相続人の遺言書がない場合の、銀行の口座凍結を解除する流れを解説します。

 

銀行の口座凍結を解除する流れ~遺言状なしの場合~

①被相続人の財産を確定する

②相続人全員で遺産分割協議を行う

③口座凍結解除で必要な書類を揃える

④すべての銀行で口座凍結解除手続きをする

 

③の口座凍結の解除で必要な書類は、「遺産分割協議書がある」のか「遺産分割協議書がない」のかで異なります。 また、提出する書類はすべて原本、さらに口座凍結されているすべての銀行に提出する部数が必要となるので覚えておきましょう。 

 

[図表2]口座凍結の解除で必要な書類(遺言書がない場合)

 

銀行の口座凍結を解除する方法【遺言書あり】

次に被相続人の遺言書ありの場合の、銀行の口座凍結を解除する流れを解説します。

 

銀行の口座凍結を解除する流れ~遺言状なしの場合~

①遺言書の内容を確認する

②口座凍結解除で必要な書類を揃える

③すべての銀行で口座凍結解除の手続きをする

 

②の口座凍結の解除で必要な書類は、「遺言執行者が手続きをする」のか「相続人や受遺者が手続きをする」のかで異なります。

 

[図表3]口座凍結解除に必要な書類(遺言書がある場合)

 

遺言書は、「公正証書遺言」と「自筆遺言書」と「秘密証書遺言書」の3種類があります。 公正証書遺言の場合、作成された公証役場で発行された「遺言公正証書謄本」が提出すべき遺言書となります。

 

「自筆遺言書」と「秘密証書遺言書」の場合、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所の「検認済証明書」を遺言書と併せて提出する必要があります。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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