「スムーズな遺産分割」困難な場合の対処法
遺言作成、生命保険加入…生前の「遺産分割対策」がおすすめ
相続人のなかで、スムーズな遺産分割が困難な方がいれば、可能な限り、生前に『遺言』を作成し、遺産分割協議をしなくても、遺産の分け方が決まるようにしておきましょう。
また、生命保険金は、遺産分割協議の対象とはなりませんので、相続税の申告期限前に遺産分割協議が完了しなかった場合に備え、配偶者を受取人とした生命保険に加入しておくことも一案です。
申告期限までに遺産分割が決まらなかった場合は「更正の請求」を行う
相続税申告時までに遺産の分け方が決まらない場合は、遺産の分け方が決まった日の翌日から4ヵ月以内に相続税の更正の請求(相続税の申告のやり直し)を行います。
更正の請求では、配偶者控除を活用した相続税の金額を納税すればいいので、納めすぎた相続税の還付を受けることができます。
ただし、この措置を受けるためには、最初の申告時に、「申告期限後3年以内の分割見込書」という書面の添付が必要となりますので、忘れずに添付してもらうようにしましょう。
仮に、申告期限の翌日から3年経過しても遺産分割が整わない場合は、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認書」を税務署に提出し、税務署長から承認を受けておくことで、その後の遺産分割が成立した場合には、更正の請求が可能となります。
調停や訴訟等の手続きをとると、3年を経過することは少なくありませんので、当該書面の提出は忘れずに行うようにしましょう。
堅田 勇気
Authense法律事務所
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】