空室期間をいかに短くするかがカギ
■ランキングだけではわからない信頼できる会社の見分け方・選び方
毎年夏頃、全国賃貸住宅新聞によって全国の賃貸管理会社の管理戸数ランキングが発表されます。上位を見ると、大東建託グループや積水ハウスグループなど、一度は目にしたことのある会社が並びます。もちろん、大手には大手ならではのノウハウと技術が備わっていることから安心感はあります。
とはいえ、上位に並んでいる会社の多くが、自社で分譲したアパートやマンションの管理をそのまま請け負っており、他社から自社に管理を乗り換えているお客様だけで管理戸数が増えているわけではありません。管理戸数は1つの目安となりますが、それだけで選ぶのではなく、大きく4つのポイントを参考に見極めるようにしましょう。
ポイント①「空室解消」いかに早く空室を埋められるか
不動産投資における大きなリスクは「空室」です。ローンで物件を購入した場合、毎月の家賃収入でローンを返済していくため、家賃が入らないことはオーナーにとっては致命的です。その空室期間をいかに短くするかがカギとなります。
空室期間の見極めは、各賃貸管理会社が公表している入居率と平均空室期間を確認しましょう。注意が必要なのは、入居率と空室の定義は賃貸管理会社ごとに違うという点です。
例えば、1年間のうち、最も入居率の高い期間だけを切り取って紹介していたり、内装工事が完了して数か月経ってから空室とカウントしたりしている会社もあります。わたしの会社は毎月、前月末時点の入居率を公表しています。また平均の空室期間については、四半期に一度『ワンルームマンション賃貸実績レポート』を公表し、エリアや築年数ごとの平均空室日数をWebサイトでいつでも確認可能にしています。
ポイント②「入居者トラブル」早期に問題を突き止め解決へと導けるか
どんなに好立地のきれいなマンションだったとしても、そこに入居する人々の間で起きたトラブルを放置してしまうと、入居者の退去につながってしまいます。そのため、トラブルの原因を探り、発端となっている問題を突き止めて解決しなければなりません。
しかし、入居者トラブルの解決はそう簡単ではありません。例えば入居者の生活音に関する騒音問題が発生したとしましょう。まず、どの時間にどのような騒音があるのか確認しなければなりません。なかには入居者の勘違いということもあるので、実際に現地に向かい、その音を突き止めます。
とはいえ、この騒音の発生源の入居者に直接声をかけることはできません。当然ですが、該当の入居者に問いただす前に、まずは素性を明かす必要があり、そこからどこの部屋の入居者がクレームを出したのかを突き止められて入居者が逆恨みされるリスクがあるからです。この場合、まずは建物管理会社に連絡し共用部の掲示板などで注意喚起をしてもらいます。それでも収まらない場合には、建物管理会社から該当の部屋を管理する賃貸管理会社に連絡をしてもらい、その賃貸管理会社の担当者から入居者へ是正を行ってもらいます。
このように、入居者トラブルは自社が管理するお部屋の入居者を守りつつ、速やかに対応していく必要があるため、トラブル対応の専門部署がある賃貸管理会社を選びましょう。また、入居者からのクレームも受け付けられるよう、入居者専用のコールセンターの有無も確認事項のひとつです。