睡眠の「質」は認知症や免疫力とも関連している!
睡眠不足になったり、目覚めがすっきりしない、目覚めたときに疲労感が残っている、睡眠時間は長いのに疲れがとれないといったようなことはありませんか? このような症状を感じたときは、睡眠の質が低下していると考えられます。
脳にとって睡眠が特に重要といわれていますが、その大きな理由の一つは、眠っている間に酵素がたくさん生産されるからです。
私たちの体の中では、食べた物をエネルギーとして体に蓄えたり、蓄えたエネルギーを必要なときに取り出したりと、いわゆる代謝作用がさかんに行われており、これを円滑に進めるのが酵素です。
また、質のよい睡眠がとれると、細胞の新陳代謝を促す「メラトニン」というホルモンのはたらきによって体のさまざまな細胞が再生され、免疫力が高まります。
最近は若い世代で睡眠に問題を抱えている人が増えていることから、若年性認知症のリスクに警鐘を鳴らす研究者も多いようです。
ただ、睡眠不足と認知症の関連性が示される一方で、「寝過ぎ」もまたアルツハイマー型などの認知症にかかるリスクを高めることを示す研究もあります。
睡眠不足は認知症発症のリスクを確実に高めるとはいえ、寝れば寝るほどよいというわけでもないようです。要は、睡眠の「時間」ではなく「質」をいかにして上げるかということです。
睡眠の質を上げるためには、まず睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を促すことが大切です。メラトニンは眠気を引き起こすはたらきをするだけでなく、活性酸素の無毒化を活発にしてくれます。
日中に適度な運動を行うとメラトニンの分泌量が増えるので、ウォーキングや軽い体操などをしてできるだけ体を動かすようにして、睡眠の質を上げるように心がけたいものです。 認知症の有症者数が急激に増えている現在、認知症発症のリスクに対する「睡眠」の持つ影響力が、今後ますます注目されることでしょう。