(※画像はイメージです/PIXTA)

住宅購入時に誰もが加入する保険が「火災保険」です。火災保険に加入することは常識とされていますが、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。そこで本記事では、火災保険の基本や補償対象などについてわかりやすく解説します。

住宅やマンション購入時に必ず加入する保険の1つが「火災保険」です。住宅を購入したほとんどの方が購入と同時に火災保険に加入しますが、多くの方が保険補償対象などの詳細を把握していないのが現状です。

 

そこで本記事では、火災保険の内容や補償対象、選び方などについて詳しく紹介します。

目次
1. 火災保険とは?何が補償対象になる?
1.1. 火災保険とは「建物」と「家財」を補償する保険
1.2. 火災保険の対象となる建物と家財の具体例
2. 火災保険で補償される事故や災害は?
2.1. 火災以外も補償対象?火災保険の内容を解説
2.2. 地震や津波による被害は対象外になる
3. 火災保険の加入は必須?住居タイプ別の必要性を解説
3.1. 戸建て:生活を守るために加入は必須
3.2. マンション:延焼リスクは低いが加入は必要
3.3. 賃貸:退去時に原状回復が必要なため加入は必須
4. 火災保険はどう選ぶ?失敗しないポイントを解説
4.1. 補償対象は「建物」「家財」「建物+家財」から選ぶ
4.2. 補償金額は建物の時価±30%が目安
4.3. 保険期間は1〜10年で設定・一括払いがお得
4.4. 地震保険もセットで加入する場合の契約期間は1〜5年
5. 火災保険は所得税の控除を受けられる?
5.1. 火災保険のみの加入では所得控除の対象外
5.2. 地震保険は所得控除の対象になる
6. 火災保険料の相場は?安く抑えるコツも紹介
6.1. 火災保険の相場は数万円〜数十万円までさまざま
6.2. 火災保険料を安く抑えるコツ3選
7. まとめ

1. 火災保険とは?何が補償対象になる?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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火災保険とは、火災などの被害や落雷、爆発、風災、盗難などで、建物や家財などに損害が発生した際に補償金が支払われる保険のことをいいます。一般的に火災保険の補償対象は、保険加入者が購入している「建物」や所有している「家財」などです。

 

1.1. 火災保険とは「建物」と「家財」を補償する保険

上記でも解説したように、火災保険とは「建物」と「家財」を補償する保険です。

 

建物に関して火災保険が補償する対象は、住宅購入者である「被保険者」が購入・所有している「住居としてのみの目的で使用している建物」として認識されています。また所有する建物に設置されている門、塀なども補償対象となります。

 

そして「家財」に関しては保険に加入している被保険者や、被保険者と生活を営んでいる家族が所有している家財などが補償対象です。

 

1.2. 火災保険の対象となる建物と家財の具体例

上記では火災保険の対象となる建物や家財に関して簡単に解説をしましたが、実際にどのようなものが火災保険の対象になるのでしょうか?

 

厳密に建物の補償の範囲内のものとして、住宅に備え付けられている畳や収納家具、調理台、洗面台、浴槽、壁または塀、車庫やカーポートなどが挙げられます。

 

そして家財の補償の範囲内のものとして、建物内に収納されているすべての家具、家電、衣類などの日常生活に使用している動産が対象です。

2. 火災保険で補償される事故や災害は?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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一般的なイメージとして、住宅購入時に火災保険に加入しておけば、多少の事故や災害に遭っても安心なイメージがあります。しかし、火災保険への加入で実際に補償される対象にはどのようなものが含まれるのでしょうか?

 

2.1. 火災以外も補償対象?火災保険の内容を解説

火災保険はその名の通り、自宅が火災に遭ったときにさまざまな補償を提供してくれる保険です。しかし、実際の火災保険のほとんどが火災以外の被災などに対しても補償を提供しています。

 

ここからは、火災保険の具体的な補償に関して解説をしていきます。

2.1.1. 火災・落雷・破裂・爆発

火災保険の補償対象の代表的なものが「火災」ですが、火災も多くの要因が重なって発生します。そのなかでも失火や貰い火、落雷などが原因で発生した火災には火災保険の適用が可能です。

 

また、住宅やマンションのガス管からガス漏れなどが発生した際の破裂事故や、ガスに火が引火した際の爆発事故などに対しても火災保険が適用されます。

 

2.1.2. 風災・雹(ひょう)災・雪災

台風や暴風などの強風による「風災」による被害も火災保険の適用範囲です。たとえば自宅のテレビアンテナが台風で飛ばされ破損したり、強風による飛来物で窓ガラスが破損したりした場合なども火災保険が適用されます。

 

また、雹(ひょう)による被害である「雹災」にも火災保険が適用されます。例として自宅の窓ガラスが雹より破損した場合などは保険の適用内です。

 

さらに豪雪や雪崩により自宅が倒壊したり、雪の重みで屋根の一部が破損したりする「雪災」にも火災保険が適用されます。

 

2.1.3. 水災

火災保険が補償できる「水災」には、「高潮」「洪水」「土砂崩れ」などが挙げられます。

 

一方で地震による津波などに関しては火災保険が適用されませんので、地震が多い地域に住まれている方は加入前に確認しておきましょう。

 

また、水災による補償を受けられる条件として建物、家財などの再調達価格が時価の30%を超えた場合は火災保険が適用されます。さらに洪水などによる床上浸水や、自宅が浸水し、水位が地盤面から45cmを超えた場合も火災保険が適用可能です。

 

2.1.4. 損傷・汚損

火災保険に加入すれば、何らかの理由で自宅を損傷させてしまった場合も補償範囲内です。たとえば入居時に家具をぶつけて壁に穴をあけたり、子供がおもちゃなどで遊んでいて窓ガラスを割ったりなどの事例が挙げられます。

 

特に畳や襖(ふすま)などの損傷にも火災保険が適用されるのは知らない方がほとんどではないでしょうか。また、自宅の外壁が落書きなどで汚されてしまうなどの「汚損」に対しても火災保険が適用されます。

 

2.1.5. 盗難

「盗難」の補償が加入した火災保険についていれば、空き巣や窃盗などによる保険対象内の建物や家財の盗難、破損、汚損などに対して補償されます。

 

一般的に火災保険は「建物の被害に対して補償する」というイメージが強く、盗難などに対する補償があることは意外と感じるかもしれません。しかし実際の盗難は、窓ガラスやドアの鍵を壊して宅内に侵入してくるので火災保険の「建物の補償」が適用されます。

 

2.2. 地震や津波による被害は対象外になる

火災保険は風災や水災などは補償対象としていますが、地震や津波などの自然災害は補償対象外としています。たとえば地震が原因での火災や建物の倒壊、津波による建物の崩壊・流失などは補償対象外です。

 

そこでおすすめなのが「地震保険」です。地震保険に加入すれば、地震による被害や、地震発生に伴う津波による被害に対しても手厚く補償してくれます。

 

地震保険については『地震保険はいらない?必要性や補償内容をわかりやすく解説』を参考にしてください。

3. 火災保険の加入は必須?住居タイプ別の必要性を解説

(※画像はイメージです/PIXTA)
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火災保険は火災による被害のみならず、さまざまな被害に対して幅広い補償を提供してくれる保険です。加入しておけば「まさか」の事態にもスピーディーに対応できます。しかし、なかには「火災保険はいらない」と考えている方も多いのではないでしょうか?

 

住居タイプ別の火災保険の必要性について検証していきましょう。

 

3.1. 戸建て:生活を守るために加入は必須

新築一戸建てを建てた場合、火災保険に加入することは必須条件です。住宅購入時にほとんどの方が住宅ローンを組みますが、住宅ローン借入時には火災保険への加入が必須条件となっています。そして、一度住宅ローンを組めば長期間にわたって支払いを続けていかなければいけません。

 

もし火災保険に加入せずにローン支払い期間中に火災や水害、盗難などの被害に遭えば、多額の費用が支払いに加算されますので大変です。このような観点からも、一戸建てを購入すれば火災保険への加入は必須です。

 

3.2. マンション:延焼リスクは低いが加入は必要

マンション購入時もほとんどの方が住宅ローンを利用するので、火災保険への加入は必須です。理由としては、現在ほとんどの金融機関が住宅ローンの融資条件の1つとして火災保険への加入を義務付けている点が挙げられます。

 

一方で、マンションは一戸建てなどに比べると延焼のリスクは低いので、なかには「火災保険はいらない」と考える方もいるかもしれません。

 

しかし自宅ではなく、隣の部屋から火災が発生して被害を受けても法律的に隣の住人に故意または重大な過失が無い限り損害賠償請求をすることはできません。したがって。マンションでも「まさか」の事態に備えて火災保険に加入することが重要です。

 

3.3. 賃貸:退去時に原状回復が必要なため加入は必須

賃貸物件においては火災保険への加入は必須条件ではありません。しかし、火災保険に加入しておけば火災などの被害で自分の所有している「家財」が被害に遭った場合に補償を受けることができます。

 

また、賃貸物件では退去時に借りた部屋を物件管理者に元通りにして返さなければいけない「原状回復義務」があります。したがって、火災が発生して損害が発生したときに、もし火災保険に加入していなければ多額の費用を支払わなければなりません。

 

このような観点から、賃貸物件でも火災保険への加入は必須です。

4. 火災保険はどう選ぶ?失敗しないポイントを解説

(※画像はイメージです/PIXTA)
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火災保険は火災や水害、風災などで被災時に多くの補償を提供してくれる有効な保険で、加入しておけばさまざまな被害に遭っても安心です。しかしいざ火災保険に加入しようと思っても、数多くの保険会社がありますので選ぶのにも迷ってしまいますよね。

 

そこで本項では、火災保険を選ぶ際の選び方や失敗しないポイントなどを紹介します。

 

4.1. 補償対象は「建物」「家財」「建物+家財」から選ぶ

最初に火災保険の「補償対象、補償範囲」を決めることが火災保険の選択では重要です。火災保険の補償の種類には

 

  • 建物のみ
  • 家財のみ
  • 建物+家財に適用

 

の3種類があり、自分の状況に適した内容が選択できます。したがって、「何に備えるのか」「自分にとってどんな補償内容が最適なのか」などの事項を十分考慮したうえで加入を進めていきましょう。

 

また、火災保険は補償内容を大きくすればするほど支払い保険料が高くなりますので、収入と支出、必要性を十分に見極めての選択が必要です。

 

4.2. 補償金額は建物の時価±30%が目安

火災保険で適用される補償金額は、現状の建物の再築価格(再調達価格)で算出され、一般的に建物の時価の±30%が目安とされています。適用金額の大まかな金額は算出されていますが、補償額を増やし補償の幅を広げることも可能です。しかし補償額を増やせば当然ながら毎月の支払金額が上がります。

 

したがって、まさかの事態が発生した際に必要な金額などを十分考慮し、必要な補償額を算出しての加入することをおすすめします。

 

4.3. 保険期間は1〜10年で設定・一括払いがお得

火災保険は、1~10年まで支払い期間を自由に設定できますが、長期契約で一括払いをすれば保険料を安くできるのでおすすめです。一括払いをすれば最初に多くの費用がかかりますが、長期的な視点で考えればお得なプランといえます。

 

したがって、自分の収入と支出のバランスを考えて、最初に一括払いできるのであれば支払うなど、無理のない支払い期間を選ぶことが大切です。

 

4.4. 地震保険もセットで加入する場合の契約期間は1〜5年

上記でも解説したように、火災保険のみの加入では、火災の要因が地震である場合には補償されません。したがって、地震などの災害にも備えておきたい方は「地震保険」とセットで加入することをおすすめします

 

そして地震保険は単体のみでの加入はできず、火災保険とのセットでなければ加入することができないので、火災保険加入時に十分検討しましょう。

 

火災保険と地震保険をセットで加入すれば契約期間を1~5年の間で自由に決められますので、火災保険との支払いのバランスを検討して支払い期間を決めましょう。

5. 火災保険は所得税の控除を受けられる?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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火災保険に加入すれば万が一火災が起きた際、多くの補償を受けることができますが、毎月支払いをしていかなければなりません。月々の支払いは低額でもトータルではかなりの出費になります。

 

しかし、火災保険が所得の控除対象であれば、多少なりとも所得税が軽減されてお得です。そこで、火災保険や地震保険が実際に所得税の対象になるのかを解説します。

 

5.1. 火災保険のみの加入では所得控除の対象外

2006年に行われた税制改革により、損害保険料控除が廃止され、火災保険のみの加入では所得の控除対象として扱われなくなりました

 

しかし、2006年12月31日までに保険の契約をしており、満期返戻金があり、10年以上の保険期間や共済期間を有し、2007年1月1日以降に保険契約の変更などをしていない場合は、所得控除の対象になります。

 

5.2. 地震保険は所得控除の対象になる

上記のように2006年の税制改革により損害保険料控除が廃止されましたが、その後新しい地震保険控除が制定され、地震保険は所得控除の対象として取り扱われています

 

地震保険は政府と民間の保険会社で共同運営されていますので、補償内容や保険料金などはすべて統一されているのも大きな特徴です。

 

また地震保険は単体のみでの契約はできず、火災保険とセットでの加入となるので、注意しましょう。

6. 火災保険料の相場は?安く抑えるコツも紹介

(※画像はイメージです/PIXTA)
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自己所有の一軒家、マンションのみならず、賃貸住宅など住宅に関する契約をした方のほとんどが火災保険に加入します。火災保険加入後は長期間で支払いが続きますので、支払いや補償価格相場についても知っておきたいものです。

 

しかし、実際の補償価格や保険料の相場について詳しい方は少ないのではないでしょうか? 火災保険の相場について詳しく検証していきます。

 

6.1. 火災保険の相場は数万円〜数十万円までさまざま

火災保険の相場は、補償内容の違いや地震保険を付けているかいないかで価格が大きく異なります。

 

火災保険のなかには最低限の補償で地震保険が付いていないものであれば年間30,000円程度の支払いで済むものもあります。一方、補償の幅を広くして地震保険なども付ければ年間の支払いが数十万円もの高額になるものもあり、価格の幅が大きいのも特徴的です。

 

したがって、自分の経済状況や必要な補償などを十分検討して火災保険を選択しましょう。

 

6.2. 火災保険料を安く抑えるコツ3選

火災保険には契約する保険会社や補償内容によってさまざまな種類のものがあり、支払金額も大きく異なります。したがって、契約の際には自分の状況に適した保険会社を選択して、支払金額を安く抑えたいものです。

 

ここでは、火災保険を安く抑えるコツを3つ紹介します。

6.2.1. 複数の保険会社を比較して決める

火災保険料の支払いをできるだけ安く抑えるために、複数の保険会社を比較して決めるのも重要です。1つの保険会社のみで決めるのではなく、複数の会社の価格を比較することで価格相場について詳しく知ることができます。

 

そして大まかな相場がわかれば、金額が高い会社とリーズナブルな会社の判別も可能です。

 

さらに複数の会社から見積もりをもらい(=「相見積もり」)、会社どうしで価格競争をさせることで、限界まで低くなった価格での契約も可能になります。

 

6.2.2. 保険期間は長いものを選ぶ

火災保険の保険有効期間は最長で10年で、長期契約であればあるほど保険料の支払金額は割安になります。また、長期契約の途中で解約しても解約時期に応じた解約返戻金などもあるので安心です。

 

したがって、一括で保険料の支払いが可能であれば、長期契約のほうがお得であるといえます。しかし、長期契約の場合は更新手続きが少ないので、定期的に補償内容などを確認しておきましょう。

 

6.2.3. 重複や不要な補償は外す

火災保険料を安く抑えるコツの1つとして、重複や不要な補償なども外すことがあります。

 

火災保険と火災共済に加入していれば、被災時に両方から補償されると思っている人も多いです。しかし実際には、重複して保険に加入していても損害額を超える金額が支払われることはありません。

 

したがって、火災保険加入時には火災共済などとの重複事項や補償などを外せば保険料を安く抑えることができます。

7. まとめ

(※画像はイメージです/PIXTA)
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自己所有のマンションや一軒家に限らず、賃貸物件でも火災保険への加入は必須で、火災保険に加入することで安心して生活することができます。

 

また、火災保険に加入しておけば「万が一の事態」にも柔軟に対応でき、被災時の急な出費などにも対応できます。そのため、火災保険への加入は安心して生活するための必須事項ともいえます。

 

保険会社の選択に困ったときは本記事を参考にして、ご自身の状況に適した火災保険を選択してください。

 

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