(※写真はイメージです/PIXTA)

医師の近藤靖子氏が、「シニア世代を健康かつ快適に過ごすために、50代や60代前半の生活のうちに気をつけたいこと」として、「足がつったときの対処法」について解説していきます。

下半身が衰えると「あし」がつりやすくなる理由

私は医者という仕事柄、患者さんに健康のアドバイスをするので、自分も健康維持には十分気を付けているつもりです。ところが、やはり寄る年波には勝てず、最近下半身の衰えを感じるようになってきました。

 

まず一つ目は、あしがしばしば攣(つ)るようになってきたことです。ここに「あし」と書いたのは、脚にも足にも起こるからです。いわゆる「こむら返り」と呼ばれる下腿またはふくらはぎ(これは脚の一部)が攣ることが多いのですが、足先にキュッと力を入れたり足の向きを代えたりする場合に足指が攣ることもわりとあります(こちらは足)。

 

衰えを自覚している二つ目は、ワンコを抱いたり大きめの荷物を持ったりしながら階段の上り下りをする際に、身体がよろけたりして転びそうになることです。こちらはバランス力や体幹・下肢の筋力低下によるものでしょう。

 

一つ目のこむら返りは医学用語では有痛性筋痙攣と呼ばれ、筋肉が異常に収縮し戻らなくなった(痙攣)状態を指します※1。筋肉は両端が腱と呼ばれる硬い筋のような組織になっていて、腱の先が骨や関節にくっついています。筋肉を縮めると腱が引っ張られて、関節で手足が曲がったり伸びたりする仕組みになっています。

 

筋肉には、筋紡錘(ぼうすい)と腱紡錘という、筋肉の伸び縮みを感じ取るセンサーが備わっています。筋紡錘は筋肉内に存在し、筋肉が伸びすぎないようにコントロールしており、腱紡錘は腱内に存在し、腱が伸びすぎないように(すなわち筋肉が縮みすぎないように)コントロールしています。

 

腱紡錘の働きが低下すると筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こした状態になります。これがふくらはぎに起こったのがこむら返りです。

 

腱紡錘の機能低下の原因の主なものには、カルシウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルバランスの乱れ、脱水気味などの水分不足、冷えなどの循環不良などがあります。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症のリアル 時をかけるおばあさんたち』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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