(※写真はイメージです/PIXTA)

偏差値40の高校の商業科を卒業、大阪産業大学、龍谷大学での仮面浪人を計4年間経験。社会人として受験費用を稼ぎながら夜に予備校へ通う生活を2年半、純粋に浪人だけの生活を2年半経験して、ついに早稲田大学に合格。9浪して27歳で早稲田大学に合格した濱井正吾氏が『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

 

絶望的なE判定でも志望校に合格できる理由

私の知人にも、一度一流大学の文系を出て、予備校のチューターをやりながら医学部を志望していた人がいます。

 

彼は、毎年のように春の模試で医学部のA判定を取っていたのですが、結局4年間受験勉強を続けても志望学部には受かりませんでした。

 

その理由は、彼がチューターをしていた予備校にあります。情報がない地方の予備校は難関大に行くノウハウがありませんし、物事の本質的な考え方も教えてもらえないので、どうしても参考書演習中心で暗記偏重の勉強になってしまいます。

 

だからこそ彼は、模試で軽く9割を超えていた得点も、思考力を問うセンター試験の問題では毎年8割程度しか取れませんでした(4年間の最高が86%)。

 

いかに模試が本番の試験とは別物なのかを教えてくれるエピソードだと思います。

 

こうした模試の判定は、「今までのまま、気を抜かず勉強や試験対策をしっかりし続けたらA判定ですよ」と言っているものと認識しましょう。

 

模擬試験②/E判定だから諦める/重要度★★★★★

逆もまたしかりで、E判定でも全然合格する可能性はあります。

 

私は9浪目にある模試で早稲田大学教育学部のA判定を取りましたが、次に受けた早稲田大学対策の模試では英語・国語ともに偏差値が50を割るという、Eの中のE判定でした。

 

これが、早慶と比べるとまだ平易な問題を言語化して書く能力を聞く模試と、早慶レベルの問題を解ける能力を問う模試の違いです。

 

また、代々木ゼミナールの「早大プレ」や河合塾の「早慶オープン」のような大学の名前が頭につく冠模試も、問題の形式や質は本番とやや異なります。

 

私はどちらの模試も早大の受験前に受けましたが、むしろ早慶の本番よりも相当難しい問題を出しているという印象を受けました。

 

しかし、本番では7割取れればいいのです。過去問をたくさんやって、その大学の形式に慣れていれば、悲惨な模試の判定は度外視していいでしょう。

 

基礎の能力をこの時点である程度つけておくと、その後の上達の度合いもまったく違います。

 

私は野球をやっていたからこそ基礎を固めることの重要性を学べたので、E判定が出ても慌てず、早稲田の英語と国語の過去問を60年分、日本史の過去問を80 年分解いて形式に慣れ、本番に間に合わせました。

 

逆転合格のために必要なのは、基礎を固めることと、過去問を解くことです。

 

入試の数ヶ月前に模試ができなくとも、なんら落ち込むことはありませんよ。

 

濱井 正吾
9浪はまい

 

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本連載は濱井正吾氏の著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

浪人回避大全

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濱井 正吾

日本能率協会マネジメントセンター

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