(※写真はイメージです/PIXTA)

賃貸物件のオーナーにとって「家賃滞納」は頭の痛い問題です。入居者側にも事情があり、すべて悪意ではないのでしょうが、いずれにしろオーナーにとっては不利益です。とはいえ、玄関ドアに「家賃払え!」と貼り紙をする、予告なく室内に押し入る、勝手に家財等を処分する…などすれば、オーナー側が罪に問われます。ここでは、家賃滞納者に「お引き取りいただく」スマートなフローを解説します。

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    滞納のウラにある「生活苦・健康問題・ルーズな性格」

     

    毎月ちゃんと家賃を支払っていた入居者でも、何かしらの理由で生活状況が変わると家賃滞納の常習犯に変貌することがあります。

     

    たとえば、会社をリストラされて収入がなくなれば、転職先がみつかるまでは預貯金を切り崩しながらの生活となるため「払いたくても払えない」状況に陥ります。または、大病を患ったり事故などで大けがをしてしまうと、収入減のほか入院・治療費もかさむため家賃の支払いはより厳しくなります。

     

    一方、毎月の支払期限を忘れてしまうルーズな滞納常習者もいます。こういう人は基本的に支払い義務を果たすという意識が低く、「督促されたら払えばいい」程度にしか考えていないものです。

     

    最悪なのは、在室している気配はあるものの電話もメールも「音信不通」の滞納常習者です。玄関ドアへの張り紙や抜き打ちの訪問は入居者のプライバシー侵害になりかねないので、オーナーや賃貸管理会社は対処のしようがありません。

    家賃滞納発生!督促連絡と並行してやるべきなのは?

     

    オーナーが直接賃貸管理をおこなっている物件であれば、毎月末日までに家賃の着金が確認できなければ速攻督促がはじまるかもしれませんが、賃貸管理会社では督促までに若干の余裕を持たせているところが多いようです。

     

    ある賃貸管理会社から聞いた話では、毎月25日~末日の家賃支払い締日までに入金してこない入居者は全体の2~3割程度いるといいます。そのため翌月5日頃まで待ち、それでも着金確認できなかった場合は6日以降督促の連絡を入れます。

     

    すなわち、毎月6日を過ぎても入金してこない入居者が「真の滞納者」ということになります。この督促連絡と並行して、オーナーや賃貸管理会社がやるべきことがあります。

     

    ◆代位弁済

    最初におこなうことは、連帯保証人または家賃保証会社に代位弁済をお願いすることです。近年は家賃保証会社との契約が主流となりましたから代位弁済の手続きもFAXやメールでスムーズにできます。

     

    これによりオーナーの家賃回収は叶いますが、この後、代位弁済を引き受けた家賃保証会社は入居者への「家賃取り立て」をおこなうことになります。とはいえ、玄関に張り紙、抜き打ち訪問など強引な手段は家賃保証会社の立場でもNGです。そのため、少し厳しい手段に切り替えて督促をおこなうことになります。

     

    ◆内容証明郵便

    「内容証明郵便」は、いつ、誰から誰へ、どんな内容の文書が送られたかを郵便局が証明する郵便物です。家賃督促をおこなおうとするオーナーはもちろん、賃貸管理会社、家賃保証会社等もオーナーの代理人として作成できます。

     

    文面に「期日までに家賃の着金が確認できない場合は賃貸借契約を解除する」と記載して送付すれば、滞納者に対してプレッシャーを与えることができます。

     

    内容証明郵便は郵便認証司有資格者がいる郵便局窓口で受け付けていますが、その場合既定の形式が守られていないと受理されない場合もあるので、手続きが簡単な「電子内容証明サービス(e内容証明)」をおすすめします。

     

    代位弁済申請が何度も続き、さらに内容証明郵便を送っても滞納状態が改善しないのであれば、大々的な法的手段に出るしかありません。

     

    次ページ法的手段は「支払い督促→少額訴訟→民事訴訟」へ

    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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