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不動産業者に任せれば、必要書類は揃えてくれるが…
不動産取引にはありとあらゆる書類が必要になります。通常は売却を依頼した不動産業者が諸々の発行窓口で入手してくれます。中には売主本人でないと取得できない書類もありますが、それらは委任状を作成すれば取り寄せ可能です。
マイホームの買い替えであれば、他人任せで良いかもしれません。しかし不動産の売却・購入を繰り返す投資家であれば、売買取引のタイミング毎に必要な書類について知っておくと良いでしょう。
売却依頼時
◆個人情報取扱同意書
不動産取引においては、さまざまな場面で個人情報の確認が必要になります。そのため、不動産業者は事前に売主の身分証明書提示を求めると同時に、「個人情報取扱同意書」への署名を求めます。
◆登記簿謄本
売却物件の所有者を確認するため「登記簿謄本(全部事項証明書)」を取得します。全部事項証明書には土地や建物の所在・面積、所有者の住所・氏名、ローン借入状況等が記載されています。法務局で取得すると1通600円(収入印紙払い)かかりますが、インターネットの「登記情報提供サービス(民事法務協会)」で取得すれば1通332円です。
◆重要事項調査報告書
売却物件がマンションの場合、その管理形態や管理費・修繕積立金の額、滞納状況や繰越金などの状況を確認するため「重要事項調査報告書」を取得します。マンションの管理組合(管理委託会社)が発行するもので、取得には1通1~1.5万円程度の手数料がかかります。
◆新築時パンフレット・図面集
分譲マンションの場合、新築時に物件パンフレットや図面集を発行している場合がほとんどです。これらの書類を売主が保存していれば良いのですが、もともと渡されていない、または紛失した場合は不動産データベース提供会社から取り寄せることになります。手数料はパンフレット・図面集それぞれ1部1,000~1,500円程度です。
◆価格査定書
売却物件の適正な売出し価格を決めるために「価格査定書」を作成します。不動産鑑定士が査定するものでなければ料金はかかりません。
◆媒介契約書
売出し価格が決まったら、売主と不動産業者間で「媒介契約書」を取り交わします。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合は定期的な業務報告が受けられます。契約期間は3カ月間で、更新も可能です。
販売開始時
◆レインズ登録証明書
売主と専任媒介契約または専属専任媒介契約を交わした不動産業者は、「レインズ(不動産流通機構)」へ物件情報を登録します。レインズとは、インターネットの不動産業者専用物件情報サイトです。このサイトへ登録することで数多くの業者に物件情報を知らしめることができ、早期売却の可能性も高まります。
◆業務処理状況報告書
売主と専任媒介契約を交わした不動産業者は14日に1回、専属専任媒介契約の場合は7日に1回、売主に対し「業務処理状況報告書(業務報告)」を提出する義務があります。業務報告には広告媒体への掲載状況、顧客からの問い合わせ件数、内見回数などが記載されます。
◆買付証明書
買主候補から、購入希望価格、売買代金の支払い方法(現金またはローン)、手付金額、契約・引渡し希望日時などが記載された「買付証明書(または購入申込書)」が提出されます。購入希望価格欄には値引き(指値)価格が記載されている場合もあり、売主は自らの不利益にならない範囲で受け入れるか、拒否するか判断を迫られます。
◆売渡承諾書
売主が買付証明書の内容を確認してすべての提示条件を了承した場合は、買主候補に対し「売渡承諾書」を返送します。売渡承諾書には、売主と買主候補とが交渉の末決定した売買価格や契約日程等が記載されます。