不動産を売却するなら、少しでも高く売りたいと思うもの。しかし、知識のない一般人が思い通りの結果を得るのは至難の技です。本記事では、実家の売却を考えている若い会社員の「ミツウラアサミ」と、不動産売買の秘密を教えてくれる、小さなおじさんの姿をした不思議な家の精霊「家の精」とのコミカルな会話を交えつつ、不動産業界のウラや売買のヒントをやさしく解説します。

担当営業からの予想外の提案

オダテル不動産と専任媒介契約を交わしてしばらく経ち、定期報告を聞きに同店を訪れました。今回は重要な話もあるとのことでアサミの兄も同行しています。担当者を呼び出すと、契約時とは違う「カワイ」と名乗る若い女性が出てきました。いつもとは違う雰囲気を感じ、嫌な予感を抱く私なのでした。

 

◆不動産会社、担当を変えて〈怒涛のディスカウント〉開始!

 

カワイ:今回は重要な定期報告ということで。ご物件を一緒に所有されているお兄さまにもご足労いただきまして、誠にありがとうございます。

 

兄:いえいえこちらこそ、今日はお時間をありがとうございます。

 

アサミ:あの……前に担当いただいていたヤマダさんは?

 

カワイ:はい、今日は別件で動いておりますので、私が代わりに報告をさせていただきます。ご安心ください、私もミツウラ様物件の販売に関わっておりますので。

 

兄:そうでしたか。いつもお世話になっております。

 

アサミ:それで、どんな感じですか。問い合わせはきていますか。

 

カワイ:それがですね……すごいきてます、お問い合わせ!

 

アサミ:本当ですか!(良かった、重要な報告っていうから、全然問い合わせがこないっていうネガティブな報告だと思ってた)

 

カワイ:ただですね。実は「もう少し安くならないか」という交渉が大半でして。

 

兄:提示価格の3000万円では売れそうにないと。

 

カワイ:そうなんです。こちらが提示した価格なのに恐縮です。少し強気過ぎたのかもしれません。

 

兄:いやいや、そんな気落ちすることないよ。

 

アサミ:……それでいくらくらいなんですか。

 

カワイ:2500万円で売ってほしい、というお問い合わせが多いですね。

 

アサミ:えっ。最初に査定してくれた2700万円よりも、200万円も安いじゃないですか!

 

「3000万円を提示したのはそちらじゃないですか!?」

 

カワイ:もう少し時間をかければ2700万円でのお問い合わせも増えるかもしれません。なので本日のご相談としましては、3000万円から少し減額しての販売に変えたいというものでして。

 

兄:まあそれは、構わないんじゃないか。早く売れてくれるほうがこちらとしてもありがたいし。

 

アサミ:商業施設ができるからもっと価値が上がるかもって、3000万円を提示したのはそちらじゃないですか。

 

カワイ:そうなんですが、商業施設のオープンがまだだいぶ先ということで、土地価格に反映されるにはもう少し時間を要す模様でして。もう1年後くらいには上がるかもしれませんが、3000万円で売れる保証はできません。

 

アサミ:……。

 

カワイ:念のため同じような取引事例がないかさらにエリアを広げて探ってみたのですが、相場として今後上がる価値の見込みは100万円程度となっています。ですから、妥当な売却価格は2500万円から2700万円になるかなと思われます。

 

アサミ:(えー、なんか最初に言ってたことと全然違う!)

 

兄:まあ、早めに売っておきたいし、2700万円くらいに下げてもらってもいいんじゃないか。

 

アサミ:いやいや、ちょっと待ってよ!

「3000万円で売ります」って調子良く言ってたのに…

オダテル不動産からの値下げ提案を鵜呑みにしようとする兄を止め、今日のところは保留とし、後日最終的に決めることになりました。

 

帰宅後、実家でテーブル越しに向かい合う私と兄。兄のすぐ隣には家の精が座って、オダテル不動産から持ち帰ってきた資料をのぞき込んでいます。

 

兄:問い合わせが多いのは2500万円か。

 

アサミ:契約するときには「3000万円で売ります」って調子良く言ってたのになあ。

 

兄:しかしほかの不動産屋が出した査定だと2400万円が最高額だったんだろう。

 

アサミ:ネットで一括査定してもらったときはそうだったけど。

 

兄:それよりも100万円高いんだし、いいんじゃないか。仮に2500万円だったとしても。

 

家の精:はあ、甘いなあ。


 

 

 

 

露木 裕良
一般社団法人「不動産売却支援ネット」 理事長
「不動産高く売りたい.com」 サイト運営

 

 

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