環境意識や戦争、エネルギー危機…歴史は韻を踏む
「歴史は韻を踏む」といいます。
「脱炭素」をキーワードに、先進国の環境意識は、大気や水質の汚染、騒音などの公害に悩まされた1960~70年代以来、約50年ぶりに高まっています。
欧州では約80年ぶりに戦争が起き、世界全体で考えれば、約70年ぶりに「二極の分断」が始まりました。それは、約50年ぶりのエネルギー危機に加え、食糧の危機も招いています。
米国は、ウクライナに巨額の軍事支援を提供し、また、日米豪印4ヵ国による安全保障や経済の枠組み(通称『Quad』)、米英豪3ヵ国による安全保障の枠組み(『AUKUS』)、インド太平洋経済枠組み(IPEF)などで、実質的な「中国包囲網」を強めています。
対する中国は、3隻目の空母を進水させたほか、ロシア産の原油輸入量がサウジアラビア産を抜いてトップになり、中露合わせて9隻の艦隊が日本を周回するなど(→国内の各種報道に基づく)、ロシアとの政治・経済・軍事的な結びつきをさらに強めています。また、アルゼンチンとイランは新興5ヵ国グループ『BRICS』への加盟を申請しました。
そして、パンデミックに伴う巨額の財政支出とマネタイゼーション、高齢化に伴う労働供給の減少、「世界の分断」による食糧とエネルギーの供給遮断、国防支出の増加などによって、世界経済では約50年ぶりに「ディスインフレからインフレへの転換」が起きつつあります。
あわせて、世界や米国の株式市場では、「成長株式から割安株式への転換」、「テクノロジー企業などのソフト/インタンジブル(無形の)銘柄から、資源や素材株式、商品、リートなど実物資産へのシフト」が起きています。