多くの人がオンライン会議に集中できるワケ
無数の要素が五感を刺激していた従来の会議環境
騒音、雑音、息づかい、話し方など人のわずかな動き、表情の微妙な変化、書類の質感、湿度、温度、空気の流れ、明るさといった無数の要素が気になり、集中力を妨げている可能性があります。
オンライン会議では、理性の邪魔をするこれらの要素が捨象されます。骨格となる重要な要素にのみ集中できるのです。
私たちの情報処理が視覚で処理することと関係しているようです。
私たちの情報能力は「視覚が83%、聴覚が11%、臭覚3・5%、触覚1・5%、味覚1・0%」(出典:「五感による知覚の割合」産業教育機器システム便覧 教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)で視覚が最も活発に働いています。
他の調査でも視覚87%(出典:「屋内照明のガイド」照明学会(著)電気書院 1980)となっており、私たちの思考は目に入る情報に最も左右されます。
したがって、人に会って話をしなければ、ものごとは進まないと感じるのです。
これから研究が進んでいくと思われますが、実際の会議に映る人の姿は3次元で、人以外にも私たちの目の前にはさまざまなものが映ります。
参加者全員が1点に集中できるオンライン会議
これに対して、オンラインTV会議は2次元の世界ですから、視覚の処理する情報量が少ないため、処理しやすいのかもしれません。
オンラインTV会議の画面にあらわれるのは、人の顔と画面に表示される2次元の参考資料だけです。エクセル、ワード、パワーポイントでつくられた資料を表示しながら、同じ資料を画面という同じ手段で、議論することで、参加者全員の集中力が高まる効果を生み出しています。
参加者は共通して、画面の1点だけを見つめ、議論が展開していきます。全員が同じ個所に視線を向けます。もし、これが実際の会議であるとすれば、人によっては、資料の別のページを見ているかもしれません。
ある人はある資料に目をやり、ある人は別の資料に目をやり、参加者全体の雰囲気がばらつき、集中力が途切れることがあります。
これに対してオンラインTV会議は、一つの共通した画面を軸に展開していきますので、全員の関心が一点に集中できます。
このようにオンラインTV会議で、会議の質が上がるのです。