(※写真はイメージです/PIXTA)

50代になると、そろそろ定年退職後の生活について考える必要があります。老後のプランのためには、年金額の把握は当然のこと、勤務先の退職金制度の有無や、具体的な金額の目安等を知っておくことが極めて重要です。お金のプロが解説します。※本記事は『会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)から抜粋・再編集したものです。

早期退職は老後の収入減のリスク高し…慎重に検討を

また、早期退職したあとに仕事に就かない場合、老後に受け取れる厚生年金が減るデメリットもあります。厚生年金で受け取れる金額は年収や加入期間によって変わりますが、たとえば、ざっくりの計算で、生涯の平均年収500万円の人が50歳で退職した場合、65歳時点で受け取れる年金額より年40万円ほど減ってしまいます。仮に30年受け取ったら1200万円もの差がつく計算です。早期退職によって老後の収入が減ってしまう可能性があるのです。

 

「早期退職に応じて、別の会社に再就職すればいいのでは」そう思う方もいるでしょう。しかし、50代で一度辞めると、残念ながら同水準の給料がもらえる再就職先がなかなか見つからないのが現実です。

 

たとえ退職金が1000万円上乗せされたとしても、年収500万円がゼロになってしまえば2年で帳消しになってしまいます。こうしたリスクを考えると、よほど余裕資金がある場合を除いて、早期退職をするべきではないでしょう。長生き時代に備えるには、安定して長期的に働くことが大切なポイントのひとつです。

 

もっとも、早期退職は自分の生き方にも関わってくる問題でもあります。若いときから一生懸命頑張ってきた方でも、50代を迎えて老後が見えてきたときに、今後どんな仕事をすればいいのか、老後を迎えるまでに何をしたいのか悩む方は少なくありません。

 

今の会社で定年まで働き続けるのもいいのですが、ほかにやりたいことが明確にあるならば、早期退職して別の会社に転職して働くのもいいでしょう。自分のやりたいことが既存の会社でできないなら、いっそ起業するのもひとつの方法です。

 

お金は大事ですが、自分のしたい仕事をせずにお金の面だけで今後を決めると後悔のもとになりかねません。ですから、会社に早期退職制度がある方はもちろん、そうした制度がない方でも、一度どんな仕事がしたいのか、今後の生き方について考えてみることをおすすめします。

 

 

頼藤 太希
株式会社Money&You代表取締役

 

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話

会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話

頼藤 太希

大和書房

定年前後の50代~60代は、間違えると大損する「お金との付き合い」がいっぱい! ●「いつ会社を辞めるのがいいのか」考えないのはいけない ●うかつに「年金の繰上げ受給」をしてはいけない ●「国の制度」を勉強せずに生…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧