(※写真はイメージです/PIXTA)

中堅M&A仲介会社やM&Aプラットフォームのサービスが登場したことで、中小企業もこれらのサービスを活用して事業の買い手を見つけられるようになってきました。M&A市場が活性化することで、解散や廃業を選ぶ企業が減る可能性があります。株式会社M&Aナビ社長の瀧田雄介氏が著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)で解説します。

企業価値の算定方法、3つの方法

M&Aにおける売り手の企業価値=譲渡価格は、資産や負債、収益やキャッシュフロー、市場相場などを目安に算定します。代表的な方法は3つあり、それぞれについて簡単に解説します。

 

方法①インカムアプローチ

譲渡企業の収益力に注目した評価方法で、今後見込まれる収益やキャッシュフローから、リスクなども考慮して企業価値を算定します。具体的にはDCF法(ディスカウントキャッシュフロー)や配当還元法を用います。

 

方法②マーケットアプローチ

株式市場やM&A市場における取引価額を基準に企業価値を算定します。ここでは、類似企業比較法や類似取引比準法を用いることが多いようです。

 

方法③コストアプローチ

企業が持つ資産・負債をベースに株式価値を算出します。純資産をもとにするため客観性があり、中小企業のM&Aではお馴染みの手法です。譲渡企業の資産・負債を時価にし、時価換算した資産合計から負債合計を引いた「時価純資産」にのれん代(年間利益に一定年数分を乗じたもの)を加味した評価方法を用いるのが一般的と言われています。

 

瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。
瀧田雄介著『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より。

 

瀧田雄介
株式会社M&Aナビ 代表取締役社長

 

 

※本連載は、瀧田雄介氏の著書『中小企業向け 会社を守る事業承継』(アルク)より一部を抜粋・再編集したものです。

中小企業向け 会社を守る事業承継

中小企業向け 会社を守る事業承継

瀧田 雄介

アルク

後継者がいなくても大丈夫!大事に育ててきた会社を100年先へつなぐ、これからの時代の「事業承継」を明らかにします。 日本経済を支える全国の中小企業は約419万社。そして今、その経営者の高齢化が心配されています。2025年…

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