クレディ・スイスが「フィリピン株式は買い」と評価を変えた理由

7月4日週「最新・フィリピン」ニュース

クレディ・スイスが「フィリピン株式は買い」と評価を変えた理由
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今回は、ユニバーサル・バンクのひとつ、クレディ・スイスがフィリピン株式の評価をあげた理由と、フィリピン・大手ゼネコンの動向に注目していきます。

フィリピン大手ゼネコン、注目の動向

 

大手ゼネコンで、セブマクタン国際空港の建設・運営を手がける「Megawide Construction Corporation (MWIDE)」の アンチダミー防止法裁判が解決し、株価が急騰しました。

 

「MWIDE」はマクタン・セブ国際空港(MCIA)の外国人所有権制限に違反したとして、同社の取締役と役員を相手取ったダミー防止法違反の訴訟を提起されていましたが、同社の役員に対するAnti-Dummy Law caseの棄却を受けました。

 

今回の訴訟棄却は外資規制緩和政策の一貫である改正公共サービス法(RA 116659)により、空港の運営と保守が外国人所有の上限を定めるネガティブリストから除外されたことが主な原因です。

 

航空・空港業界事業は、パンデミックの影響を大きく受けましたが、「MWIDE」の株価は、少なくとも10%程度、他の空港運営会社を下回っています。

 

5月に入り、同社とマルコス新政権との関係が不透明なこともあり、同社の株価は低迷を続けましたが、マラカニアンでの政権交代が正式に行われる数日前に、なんと、有利な判決が出ました。「MWIDE」は、2022年第1四半期は純損失を計上したものの、業績回復に楽観的な姿勢を維持しています。

 

「MWIDE」は、総収入が12%増加したにもかかわらず、大型プロジェクトにおけるさまざまなローン、税金費用の増加、空港や陸上港湾の再開の遅れなどにより、前年同期の137百万ペソの損失に対し、当四半期は 192百万ペソの損失を計上しました。

 

2022年は、このような低調なスタートではありましたが、「MWIDE」は楽観的で、第2四半期にはMCIA空港の乗降客数が改善され、より良い数字が出ると予想しています。

 

2022年第2四半期の空港の旅客数は595,467人から885,467人と48%以上急増しました。また、5月の貨物量も昨年4月の229万kgから10%増の253万kgとなり、旅行関連の行動規制が緩和される中、国内外からの旅行需要が急増したことが、足元の増加につながっています。

 

今後「MWIDE」は、MCIAからの利益増加とマニラ首都圏地下鉄プロジェクトなど、今後の建設プロジェクトによる収益に期待しています。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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