「働き方」が大きく変わろうとしている現代。次世代のリーダーは何を意識し、どんな行動を取るべきか――。管理職に求められるリーダーシップのあり方を、具体的かつ体系的に解説します。

ところで、管理職というものは一定の割合の人が経験するわけであるが、この管理職の経験を特に大事にしてほしいと思う。もちろん管理職ではないとダメか? と問われれば、何も管理職に限った話ではない。多様な経験を通じて、人生で遭遇する困難や、問題に対処するスキルや知識を身に付けることができる機会は山ほどある。単一のスキルではなく、時には組み合わせて、あるいは関連付けて問題に向き合うということを考えると、管理職という経験・実務を通じて生涯使えるスキルを磨くことは、とても効率が良いと感じている。

 

自分が問題だと思っている社会の課題を少しでも多くの仲間と解決することに関わることができたらどんなに素晴らしいことか。スキルは人生を豊かにするものであり、自分や一緒に何かを成し遂げるための仲間と充実した時間を過ごすために磨くものである。管理職の経験を通じて得る総合的なスキルを体系的に理解して実践の場を通じて磨くことを、これから管理職になる人だけでなく、管理職としてマンネリ感を抱き始めた人にもお勧めしたい。

何も職場に限った話ではなく…

スキルを発揮する場所は、別に職場だけでなくても良いわけである。ご自身の所属するコミュニティや、ご家庭、趣味のグループ、ボランティア活動、マンションの管理組合の活動でも良い。会社では管理職だけど、家では召使いなんていうのは、家庭円満の秘訣かもしれないが、家でもバリバリと幸せな家庭を作るミッションにしっかりと向きあってほしい。

 

誤解がないように強調しておきたいことは、社会や組織だけに身も心も捧げるのではなく、ご自身やご家族の人生も大事にしてほしいということである。「家に帰ってきたときぐらい…」という言葉も時折耳にするが、私には安息の場所ではなく、チームとして次の挑戦について語らう場所であり、人生という大事な時間を共有する場所であり、日々の自分を振り返る場所でもあるわけなのだから。

 

私が、経営視点で管理職に望むことはただ1つ。会社組織は社会を良くするために存在させるわけであるから、仕事を通じて社会を良いものにしてほしい。これだけなのである。

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本記事は、2020年11月刊行の書籍『管理職魂』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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