目標は学力を伸ばすきっかけになる
このように、春頃、候補に考えていた学校は、秋になったとき、ターゲットから外れました。
大きなきっかけは夏休みの模試の結果です。その結果を見て、残り半年で学力はまだ上がると考え、妥協することなく、行きたい学校を選びました。もちろん心配や不安もありましたが、まず目標にしてみることが、学力を伸ばすきっかけになります。
入学したい高校=合格可能な高校
この等式を成り立たせるために受験勉強をする。
すなわち、受験勉強を通して夢をかなえるのです。
受験生本人がそのことに気づき、夢をかなえるために本気になることが大切。息子は、目標を定めた後、本気で受験勉強をし始めました。「絶対にこの学校に合格したい!」と本人自らうことが、とても重要なのです。
とはいえ、もし考えていたほど学力が伸びなければ、決定の期限までに話し合って目標を変更するつもりでした。そのあたりは柔軟に対応できるように、周りの大人は心構えが必要でしょう。ただし、それは最終リミットである出願時に決めることです。結局どちらにしても、目標が高ければそこに向かって学力は伸びる可能性がある、というわけです。
志望校は偏差値だけで決めないようにしましょう。親子で相談しながら自分らしいテーマ・夢・高校生活をかなえてくれる、第一志望の候補となる学校を挙げるようにしてください。
子どもが進路を選択するとき、親としてできることは、
①親がいいと考える選択肢を用意する
②子どもの話や希望を聞いて、一緒に考える
③自分の経験を話す
学校にいくのは子どもであって、この受験が、子どもの未来のための選択であることを忘れず、子どもが自分で考え、自分で選択できる環境をつくってあげることが大切です。
ここでひとつ注意点があります。保護者世代の学校や偏差値に対する知識やイメージは、20年ほど前のものである可能性があります。時がたち、偏差値をはじめ、現在の学校の実力や評判は、程度の差こそあれ、変化しているでしょう。間違っても、その頃のイメージや偏見で学校を判断したり、意見を押しつけたりすることのないように注意しましょう。
評判は、実際と違うことも考えられます。新しい学校や、力を伸ばしている学校もあります。知名度だけを当てにせず、先入観を持たずに、今現在どんな学校なのかをしっかり調べる、現地に足を運ぶなどして、自分たちの目で確かめてみることが大切です。
さあ、目標が決まったら、次は目標達成までのスケジュールを立てましょう。
目標は高くてもOK。夢をかなえるための受験勉強。
塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター