大学教授になるには、博士号を取得後、教員に応募して選考に残る必要があります。しかし、そこまでの道のりは時間やコストが膨大で、失敗のリスクも大変なものです。ほかに大学教授になる道はないか、いくつか可能性を考えてみましょう。メガバンカーから大学教授に転身し、現在は経済評論家として活躍する塚崎公義氏が解説します。※本記事は『大学の常識は、世間の非常識』(祥伝社)の内容の一部を紹介したものです。

方法③大学にとって有益な人間になる!

論文を書かないと、大学教授に高く評価してもらうのは難しいでしょうが、それでも大学教授になることは不可能ではありません。「大学の役に立つ人間」になればいいのです。多くの大学は少子化によって生き残りを賭けた闘いを強いられているので、背に腹は代えられない、という事情を利用するわけですね。

 

たとえば文科省の官僚OBを採用すれば、大学として科学省とのパイプができるかもしれません。あるいは、文科省が実務家教員を増やそうとしているようなので、会社員でもある程度の知見があれば、実務家教員として採用される可能性も皆無ではないでしょう。

 

有名人になれば、大学の知名度向上の目的で雇ってもらえるかもしれません。たとえば無名な大学が有名な経済評論家を採用したとして、その教授がマスコミに登場するたびに「○○大学教授の」という肩書きが紹介されるのであれば、宣伝効果は抜群でしょうから。

方法④大学教授の知り合いを多く持つ

大学教授になるにはコネも役立ちます。コネといっても「採用したくないけれども、頼まれたから採用する」というものではなく、「応募書類だけでは人格がわからないので、知っている人のほうが安心だ」という意味のコネクションです。

 

したがって、できるだけ多くの大学教授と知り合いになっておくことが可能性を高めることになるでしょう。ワンマン理事長と親しくなることができればベストでしょうが、そうでなくてもコネは重要です。学会の後に懇親会が開かれる場合も多いでしょうから、積極的に参加して、大学教授の知り合いを増やすように心がけるといいでしょう。

 

実務家教員を目指す会社員は、たとえば大学時代の同級生で大学教員になっている人がいるならば、そうした旧友にも声をかけ「自分も大学教員になりたい」ということをアピールしておくとよいでしょう。

 

 

今回は以上です。なお、本稿は拙著『大学の常識は、世間の非常識』の内容の一部を御紹介したものであり、すべて筆者の個人的な見解です。

 

 

塚崎 公義
経済評論家・元大学教授

 

 

大学の常識は、世間の非常識

大学の常識は、世間の非常識

塚崎 公義

祥伝社

「一国一城の主」である教授は、自由で、楽しくて、天国のような職場――。しかし、そんな「恵まれた職場」である大学にも、違和感はありました。 「大学の常識は、世間の非常識」なのではないだろうか。どうしたら日本の大…

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