理社は表の「縦見出し・横見出し」を必ず読む
■「表とグラフ」の苦手意識を小4のうちに解消できる
問題文を読まない子と同じくらいたくさんいるのが、表やグラフの「見出し」部分を読まない子です。長年、中学受験生を教えてきた経験からいうと、グラフや表が苦手という子は多数派で、女子の70%以上、男子の50%以上が強い苦手意識を持っています。
親御さんからの「うちの子、グラフや表が苦手で…」という相談も多く、とくに過去問にとりかかる小6の9月以降に急増します。
次の図表2のような問題の場合、表の縦見出しと横見出しに書かれている内容を理解しないまま数字の欄に目をやり、設問1を解こうとします。
この問題の場合だと、表の「10往復」を読みとばして12秒とする子どもが4人に1人は必ずいます(正解は、1.2秒)。「ふりこの周期は、長さの平方根に比例する」という高度な概念を理解しているにもかかわらず、こんな単純な読まないミスにより失点します。
また、次の図表3のように理科の実験の条件が文章で説明されていてわかりにくい問題があります。植物の種子が発芽する条件について、「①水・②空気・③肥料・④光・⑤適当な温度・⑥土」ではないかと予測し、AからFの6つのシャーレを用意して、それぞれに条件を変えて発芽の様子を観察するといったようなケースです。
このようなタイプの問題は、問題文を丁寧に読みつつ、シャーレの条件を表に見やすくまとめることで対処できます。ただ、表の読み方に慣れていないと、いざ表を書こうと思っても縦見出しと横見出しにどのようなワードを入れればよいのかが明確になりません。下のような表を書き起こさなければ正解は難しいのですが、結局、書くのが面倒になって、この手の問題に対する苦手意識ばかりが募ってしまいます。
表やグラフは、社会でも頻出します。
お子さんが表やグラフの問題で困っているようなら、親御さんが表の縦見出しと横見出しを指で示しながら、「縦は何?」「横は何?」と聞いてあげるだけで、1人で勉強しているときも自然に目線が動くようになります。
西村 則康
プロ家庭教師集団「名門指導会」代表