(※画像はイメージです/PIXTA)

子どもの成績向上のためには親御さんが「スロー学習」に導いてあげる必要があります。問題が解けない子どもに注意したり小言を言うだけでは子どもは問題を解けるようにはなりません。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

「読まずに解く」がクセになる前に「スロー」な学習を

まず、「読む作法」についてお話ししていきます。「スロー学習」における読む作法は以下の通りです。

 

読む作法

①「図1」や「表1」、「三角形ABCについて」と、読んだ直後にそれを必ず見る

②算数や理科の3行程度の前提文を読み切ってから小問を読む

③算数や理科の長い設問の「仮定(何がわかっているか)」と「結論(何を聞かれているか)」に当たる部分は、頭の中で音読するように黙読する

④国語や社会も設問の中の大切な言葉や文を音読するように黙読する

 

お子さんにミスが絶えないとき、「ちゃんと問題を読まないからよ!」「落ち着いてやりなさい!」と注意したり小言を言ったりするのではなく、これらの作法が身につくように導いてあげてください。

 

お子さんがリビングで勉強しているのであれば、親御さんはお子さんの正面に座ります。一方で、子ども部屋の自分の机で勉強しているときは、ときどき隣からのぞくようにします。

 

たとえば、算数の問題を解くとき、冒頭の問題文から視線がゆっくりと流れるように「小問1」まで進んでいるかどうかを観察してみてください。そして、親御さんも一緒に問題文を読んでみます。

 

問題文を読み飛ばしている子は、すぐにわかります。明らかに、先へ先へと急き立てられるような読み方をしているからです。

 

このとき、親御さんには、「図1…、あ、これか」とか、「なるほど、○○という前提があるわけね」などと、あえて声に出して読んでみてほしいのです。それをうるさがるようでしたら、子どもがひと通り読み終えた頃あいに、「何がわかっているのかな?」「〜そうね」「何を聞かれているのかな?」「〜そう、しっかり読めているね」というように、「仮定」と「結論」をたずねてあげるのも一法です。

 

隣でそんなことをすると勉強の邪魔になるのではと心配される方もいらっしゃると思いますが、小4で塾へ通い始めた頃に親御さんがこんなアプローチをしていると、自然に「読む作法」が身につきます。それが、「スロー」な学習習慣へとつながっていくのです。

次ページポイントは「音読するように黙読する」

※本連載は、西村則康氏の著書『 難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

西村式中学受験小4~小6で差をつける 難関校合格のすごい勉強習慣 受かる子・受からない子の違いは「スピーディー&スロー」学習法

西村式中学受験小4~小6で差をつける 難関校合格のすごい勉強習慣 受かる子・受からない子の違いは「スピーディー&スロー」学習法

西村 則康

日本能率協会マネジメントセンター

難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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