「読まずに解く」がクセになる前に「スロー」な学習を
まず、「読む作法」についてお話ししていきます。「スロー学習」における読む作法は以下の通りです。
読む作法
①「図1」や「表1」、「三角形ABCについて」と、読んだ直後にそれを必ず見る
②算数や理科の3行程度の前提文を読み切ってから小問を読む
③算数や理科の長い設問の「仮定(何がわかっているか)」と「結論(何を聞かれているか)」に当たる部分は、頭の中で音読するように黙読する
④国語や社会も設問の中の大切な言葉や文を音読するように黙読する
お子さんにミスが絶えないとき、「ちゃんと問題を読まないからよ!」「落ち着いてやりなさい!」と注意したり小言を言ったりするのではなく、これらの作法が身につくように導いてあげてください。
お子さんがリビングで勉強しているのであれば、親御さんはお子さんの正面に座ります。一方で、子ども部屋の自分の机で勉強しているときは、ときどき隣からのぞくようにします。
たとえば、算数の問題を解くとき、冒頭の問題文から視線がゆっくりと流れるように「小問1」まで進んでいるかどうかを観察してみてください。そして、親御さんも一緒に問題文を読んでみます。
問題文を読み飛ばしている子は、すぐにわかります。明らかに、先へ先へと急き立てられるような読み方をしているからです。
このとき、親御さんには、「図1…、あ、これか」とか、「なるほど、○○という前提があるわけね」などと、あえて声に出して読んでみてほしいのです。それをうるさがるようでしたら、子どもがひと通り読み終えた頃あいに、「何がわかっているのかな?」「〜そうね」「何を聞かれているのかな?」「〜そう、しっかり読めているね」というように、「仮定」と「結論」をたずねてあげるのも一法です。
隣でそんなことをすると勉強の邪魔になるのではと心配される方もいらっしゃると思いますが、小4で塾へ通い始めた頃に親御さんがこんなアプローチをしていると、自然に「読む作法」が身につきます。それが、「スロー」な学習習慣へとつながっていくのです。