万が一のためにと生命保険に入ろうと思っても、なにを基準に選べばいいか迷ってしまうことが多いもの。「有名な会社だから」という理由で、中身もよくわからず入ってしまうケースも少なくありません。本記事では、保険のプロである国際保険総合研究所所長の三田村京氏が、「定期付き終身保険」の仕組みと注意点について、具体的な事例を交えて詳しく解説します。

「大丈夫だろう」で加入した35歳男性

前掲[図表4]に示した35歳の男性は、この保険に加入するにあたって、「難しいことはわからないけど、とにかく5,000万円の保険だよ」と理解し、「このくらいなら払えるだろう」と簡単に思って、20,785円の保険料を毎月支払うことに妻の同意を得た。

 

設計書を見ながらセールスレディに説明を聞いた時も、なんだか複雑な特約がいっぱい付いていたが、「みんなが入っている保険だから間違いないだろう」「いっぱい特約が付いていれば、保障の幅も広いのだろう」と、漠然とした認識しかなかった。おそらく大多数の人々が、こんなケースだろう。

 

この35歳の男性は、加入当初の保険料20,785円を払い続けて10年経った45歳になると、「「更新」の時期になりました。45歳からの新しい保険料は、毎月36,140円になります」と告げられる。

 

驚いて、「えーっ、今までの倍近くの保険料なの? そんなの払えないよ」と抗議すると、保険屋さんは事もなげに、「でしたら保障をすべて半分にしませんか、そうすれば保険料も半分の約2万円になりますよ」と涼しい顔だ。

 

なるほど、加入した時の設計書を引っ張り出してみると、確かに更新後の保険料は示されていた。しかし最初の保険料の数字の1/3程度の小さな活字で書いてある。

 

保険に加入する時に、この保険は10年経ったら「更新」が必要で、保険料が上がることも簡単に説明を受けたような気がするが、「その時はその時で見直しをすればいいじゃないですか」というようなことも言われ、「そんなもんかな」と思って、軽く聞き流してしまったような気もする。

 

でも、保険料を見直すということは、端的に言うと「保障額を落とす」ということである。妻も、「保険金が減るのは嫌だわ」と言うので、なんとか家計費を節約して、彼は65歳まで保険料を支払った。「もう、これで保険料の重圧から解放される!」と夫婦で喜んだ。

 

これからは老後の生活に5,000万円ある「終身保険」を少しずつ取り崩していけば、老後は絶対に困らないわ、と妻は思った。

 

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※本記事は三田村京氏の著書『良い保険ダメ保険の見分け方』より一部を抜粋・再編集したものです。
※記事化にあたり、保険会社および保険商品名を伏せています(書籍には具体名の記載あり)。

良い保険ダメ保険の見分け方[第5版]

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三田村 京

自由国民社

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