(※写真はイメージです/PIXTA)

2021年4月、「高年齢者雇用安定法」が改正されました。以下の努力目標が儲けられました。①70歳までの定年引上げ、②定年制の廃止、③70歳までの継続雇用制度の導入、④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度導入、です。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

定年後の収支に大まかな見通しを立てる

■方向性を決める基準は、やはりお金

 

定年後の進路は人それぞれです。働く、働かない、働く場合も再雇用、再就職、起業など様々で、選択肢は広がっています。ただ、そうは言っても定年時にどの道を歩んでいくかを決めるのは、悩ましいもの。

 

方向性を決める一つの基準として、毎月最低限、どれだけお金が必要か考えてみることをお勧めします。定年時に住宅ローンがある場合や介護費用がかかる場合、子どもの学費がかかる場合は、安定的な収入が必要になってきます。

 

また再雇用、再就職後は年収が下がり、それを補うために、副業を検討する必要が出てくるかもしれません。

 

ある程度まとまったお金がある場合は、定年後は自分の好きなこと、趣味などに没頭したり、ボランティアに力を入れたりすることもできるでしょう。また65歳までは無理をしない範囲で仕事をして、その後は年金と貯蓄で安定した生活を送る方もいらっしゃるかもしれません。

 

毎月どれだけ稼がなくてはいけないか、一度シミュレーションしてみる必要があります。図表3で年代別必要金額を算出してみて下さい。

 

<やり方>
①60歳、65歳、70歳、75歳、80歳の節目にどれだけの支出があるか概算してみて下さい。詳細に書く必要はありません。

②その支出に対して、収入を確保しなくてはいけません。収入は年金を加えて下さい。収入は、再雇用の場合、再就職の場合、独立の場合、起業する場合で考えますが、進もうと思う働き方で試算して下さい。

③そうすると支出をカバーするためにどの働き方でいくら稼がなくてはいけないかがおぼろげながらわかってきます。

 

出所:髙橋伸典著『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)より
[図表3]未来シミュレーション表 出所:髙橋伸典著『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)より


■イメージを具体化していこう

 

年金に関しては再雇用先、再就職先での収入が65歳以降も期待できるのなら、65歳からの年金は繰り下げて、増やすこともできます。反対に少し足りない場合は、60歳から繰り上げて受給することもできます。

 

このように自分の貯金、もらえる年金、期待できる仕事の報酬を具体的に数字に落とし込んで考えることで、それがベースになり、選択する仕事がわかってきます。

 

何を優先して定年後の方向性を決めるのかは、もちろんお金が基準だけではありません。あなたの生き方を基に決めることも大切なことです。これを手始めに、より自分らしく生きていくためのきっかけにしてください。

 

<ポイント>
●定年後の収入と支出を大まかに知ることで、どのように仕事をしていくかの方向性を知ることができる。
●何を大切にして生きていくか、考えてみよう。

 

次ページなりたい自分を明確にする

※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

この一冊で定年後の不安を払拭! 定年後の3大リスク(お金/仕事、孤独、健康)に対し、具体的に乗り越える方法を提示。定年後、どのようにすればいいか不安を抱えている人に贈る指南書です。

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