インタビューからコミュニケーション術を学ぶ
■インタビューの力は計り知れない
NHKの番組に『SWITCHインタビュー達人達』という著名人同士がインタビューし合う番組があります。
お互いに聞きたいことを質問しながら、いろいろな角度からその人を探っていきます。アナウンサーが一方的に聞くのと違って、お互いがその道のプロに本当に聞きたいことを聞いている、ということが伝わってきます。
このインタビューが素晴らしいのは、普通に談笑するだけでは聞きにくい、奥深い話が聞けることです。インタビューという環境だからできることです。
これは私たちも同じではないかと思うのです。まず相手に関心を持つことで、その人のことを知ろうとします。反対に関心がなければ接点を持とうとしません。
だから自分が関わりたいと思う人がいれば相手のことに関心を持ち、「あの人はどんなことを考えているのだろう」「どんな人生を歩んできたのだろう」「どうしてあんなことができるのだろう、どんな努力をしているのだろう」など想像してみます。
■誰でもできる! インタビューの手法
関心を持てば、聞いてみたいことが見つかり質問できるようになります。そうすると、深くその人を理解できるようになります。日常の生活の中でインタビューというかたちでは改まって聞きにくいかもしれません。そこで2つ方法を紹介します。
②聞きたいことの中から一つだけピックアップして普段の何気ない時に聞いてみる。それを小出しにして何回かにわけて聞く。
例えば、聞く人が最近起業された人なら、①の場合、「起業するまでにたいへんご苦労されたと思います。その時どのように乗り越えて来られたか、たいへん関心があります、一度ご都合がいい時にお時間をいただき聞かせてもらえませんか」とか。
また②なら「起業するために参考になる本を教えてもらえませんか」とか「起業されて一番良かったことは何ですか?」とか何回か会う時に、小出しにして聞きます。
こうすることで通常の付き合いでは得られない情報が入り、その人のことを深く知ることができます。私も定年後に活躍している人や起業している人に、少し時間をもらってインタビューすることがありますが、長い付き合いのある人(20年ぐらい)でも改めて聞くと、初めて聞く話がたくさん出て驚くことが多いです。
終わってみると今まで誤解していたことに気付けたり、感動することもたくさん聞けたりと、飛躍的に信頼関係が深まりました。
聞かれた人も最初は警戒感があるかもしれませんが、これほどじっくりと人から聞かれることはないと思うので、実に気持ちよく話してくださり非常に喜ばれます。話すうちに、ご自身が深く考え新しい発想も出てこられるので自分発見の場にもなるようです。聞く側も、その人のことを深く知れるので、互いに得るものが大きく、終了後は今までと違う信頼関係ができることになり、深い絆が生まれます。
親友とは腹を割って話してきた歴史があるので深い信頼関係はできていますが、インタビューで、一足飛びでそれに近い間柄になれる可能性があります。しかも人と違う切り口で質問する場合もあるので、この人はちょっと違うなとの見方もされます。
インタビューに至らなくても、人に関心を持ち、聞きたいことを質問する、これだけでも十分インタビューに近い効果は出てきます。
人に関心を持たないことが一番良くありません。何事にも、どんな人にも関心を持って積極的に質問するようにしましょう。そして年齢を問わずにいろいろな人に関心を持ち互いを理解するツールとして「インタビュー」と「質問」を使い良いネットワークを築いて下さい。
●人に関心を持って、積極的に質問することで、互いの関係性が深まる。