(※画像はイメージです/PIXTA)

難関校の算数は「捨て問」にされないギリギリのレベルに問題を設定し、条件をちょっとだけ複雑にするという問題へと「易しく」されています。難しくなるのでなく、易しくなったのは、なぜでしょうか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

子どもが伸びないのは「親」の責任か?

■がんばっているのに伸びないのは、なぜ?

 

中学受験を目指す子どもたちの8割が「アタフタさん」になってしまうのは、それだけ課題の量が増えているからです。「あれもやらなくちゃ!」「そのあとで、これもそれもやらないと!」と焦っていると、「正解できた、やった!」などと喜びを感じている余裕は持てなくなっていきます。

 

問題を解く過程に興味がなくなり、とにかく答えを書いて勉強を終わらせることが最優先になってしまいます。

 

そこで、わが子の成績が思わしくないことにいてもたってもいられず、親御さんが塾の先生や家庭教師に「うちの子、算数の『速さ』が苦手なのですが、どうすれば克服できますか」と相談したとしましょう。このようなケースの対応策はいくつも考えられるのですが、ほとんどの場合、「テキストにある問題の類題プリントをお渡ししますから、ご家庭で繰り返しやらせてください」となります。

 

私から言わせると、この対応は教える側の手抜きでしかありません。なぜかといえば、プリントを繰り返すことで一時的に「速さ」の問題に対する苦手意識が払拭されることはあっても、お子さんの本質的な理解を深める対策にはなっていないからです。

 

しかし、不思議なことに、学習の質を量でカバーするこうした提案は、親御さんに非常に受け入れられやすいのです。それは、

 

「今のわが子の状態は、より多くの問題をやらせることで改善する」

「がんばりの総量が足りないことが、成果が出ない原因だ」

 

といった思いが親御さんの中にあるからではないでしょうか。そして、同じ思いでいる塾の先生をはじめとする指導者もまた、多いのです。「必死でがんばってきたから今の自分がある」と信じている大人は、「質を量でカバーする方策」に無意識の共感を抱きます。それこそが成功への道だと確信しています。

 

■今の中学受験にマッチした学習が不可欠

 

たしかに、中学受験には大量の問題を短時間で解くことが求められる面もあります。ですから、学習の質を量でカバーする指導がまったく間違っているとは言えません。だからこそ、お子さんの成績に不安があるとき、「学習スピードを上げること」や「学習量を増やすこと」が最善策と考えられがちなのですが、中学受験に臨む子どもたちのほとんどは、心身ともにいっぱいいっぱいの状態でがんばっています。

 

もともとがんばっているところに、次から次へと「もっとたくさん!」「もっと速く!」と、さらに量とスピードばかりを要求されると人はどうなるでしょう。慌て、焦り、追い詰められ、「アタフタ」してしまいます。

 

なぜなら、子どもたち自身も、「学習スピードを上げること」や「学習量を増やすこと」が受験を勝ち抜く最善の方法だから、「やらなくちゃ」と思い込んでいるからです。

 

今は、教育に関する情報があふれています。親御さんはわが子のために、インターネット、SNS、ママ友などとの交流から、役立つ受験情報や塾情報を得ようとされていることと思います。しかし、情報は玉石混交です。

 

情報を仕入れるのはいいのですが、取捨選択せずに「あれもやらせないと」「こっちもよさそう」と親御さんが翻弄されてしまっては、親御さんの「アタフタ」がお子さんに伝わってしまいます。

 

ですから、お子さんに合った情報を親御さんがしっかりと選ぶことが大切です。そのためには、お子さんが今どんな状況にあるのか、どんな学習をしているのかを近くでよく見ていてあげることが欠かせません。

 

私がこれから本書でお話ししていくことは、親御さんからすると遠回りに感じるかもしれません。ですが、中学受験は進化しています。これまで主流だった「たくさん覚えて、たくさん問題を解く」だけの勉強では、小6の受験直前まで伸び続けていくことは難しくなっています。

 

今の中学受験にマッチした学習が不可欠なのです。

 

次ページ親世代の中学受験との大きな「違い」

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    ※本連載は、西村則康氏の著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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    西村 則康

    日本能率協会マネジメントセンター

    難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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