(※写真はイメージです/PIXTA)

アメリカの記録的なインフレーションの抑制のためにFOMCは金利を継続的に上げる方針を示しました。アメリカの金利上昇により、アメリカ株が下落することが見込まれています。また、アメリカの金利上昇は住宅ローン金利にも影響を与え、アメリカ不動産も軟調になることが予測されます。日本株はアメリカ株の影響を受けるため、今後日本株も下落する可能性が高いでしょう。
世界の経済情勢が不安定になったときや有事が起こった時に注目されるのが現物資産である「金」への投資です。本記事では「金」投資について解説します。

株式と比べ、投資効果の低い「金」…活用方法は?

「金」は現物資産かつ安全資産ではありますが、ローリスク・ローリターンの商品です。そもそもインカムゲインはありませんし、過去40年の価格の推移を見るとアメリカS&P500が40倍になっているのに比べ、「金」は3倍にしかなっていません。投資効果だけを考えるのであれば、「金」よりも株式に投資した方が投資効果は高いということです。

 

これまでに「金」の価格が急上昇したタイミングと言えば、アメリカ情勢が不安定になったときです。第二次石油危機や同時多発テロといったアメリカの情勢が悪くなったときに上昇をしています。

 

価格の推移や「金」の特徴を鑑みると、リスクヘッジをするためにポートフォリオに組み込んだり、情勢が悪くなったタイミングでの資産の回避先としたりして「金」を活用するのがオススメです。

 

そう考えるといま「金」に注目が集まっている理由がわかります。いつ収束するかわからない世界情勢不安、金利上昇により資産の回避先として「金」に注目が集まっているのです。

日本人が「金」を売買する際の"注意点”

日本人が「金」を売買するには注意が必要です。世界的に「金」はアメリカドルを基軸に価格変動をしています。当然、日本人は為替の影響を受けることになります。円建ての「金」の価格は、円高になれば安くなり、円安になれば高くなっています。

 

円建ての「金」の最安値は1998年であり、記録的な円高の最中でした。一方、いま円安により円建ての「金」の価格が高騰しています。すでに「金」をお持ちの方は何倍ものキャピタルゲインを得られるチャンスかもしれません。

 

影響が小さくなってきているとはいえ、いまだアメリカドルは世界の基軸通貨として位置づけられています。アメリカドルを基軸とする商品には「金」や石油が挙げられます。こうした商品は円建てで価格推移を見ていても正確な価格推移を確認することができません。

 

現在、多くの日本人がアメリカ株を中心とした海外投資をしていますが、正確な投資効果をはかるためにはアメリカドル建てで行う必要性が高いと言えます。日本人の実質の資産は為替の影響を受けざるを得ませんが、アメリカドル建てで投資判断できるようになると強いでしょう。

 

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次回は海外の銀行口座の中でもニーズの高い「アメリカ銀行口座」について解説します。

 

 

村上 年範

クレディ・テック株式会社 代表取締役

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