起こったことをありのままに捉える
■エクササイズのポイント
これは「自己受容しまくる」ためのエクササイズです。
2021年、私は蕁麻疹がひどくなり半年ほど夜もまともに眠れず、すごくつらい時期がありました。「痒い、痛い」といった物理的な問題だけでなく、睡眠不足から体調を崩し、精神的にも落ち込んでいきました。
そうなると、自分との関係も次第に悪化していきました。
「なんでこんなに湿疹が出るんだ!」
「いつまでこんな状態が続くんだ!」
「もういやだ、さすがにもう無理だ!」
といった自己否定の声が出てくるわけです。
その都度「今はそう思っているんだね」「今はそう感じているんだね」と自己受容で、粘り強く受け止め続けるほかはなかったのです。
ここで大事なポイントは、「二念をつがない」ということ。
「二念をつがない」とは、禅の言葉で「目の前で起こったことを、ありのままに捉える」という意味です。
私たちの思考というのは通常2つあります。
それは、『一念(最初に湧いてきた思考)』と、そのあとの『二念(自分の主観的な意見や解釈)』です。
しかし、あえて、一念で止めて、受け入れるのです。
私の例に話を戻しますが、特に調子が悪いときは、「それ以上悪化させない」ためにも、「今は調子が悪い」「しんどい」「つらい」という現状を受け入れたら、そこで思考を止めること。
というのも、体調が悪いときに思考を巡らせると、体の調子だけでなく、気分も思考も仕事も生活も、すべてが悪い方に向かってしまう危険性があるからです。
このエクササイズでも、一念で止めて、ただ自分の心の声を受け止めましょう。
大平信孝
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役