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足元の米ドル安・円高は「上がりすぎ」の修正か
そしてそんな米ドル高・円安は、5月FOMCを境に、加速度的な米金利上昇が一巡し、記録的な「上がりすぎ」の修正で低下傾向に向かったことから、それに連れる形で先週は126円台まで米ドル安・円高に戻してきたということになるのではないでしょうか。
以上のように見ると、6月にかけての米ドル/円の見通しは、まずは先週にかけての「米金利低下=米ドル安・円高」がどこまで続くかが焦点になりそうです。ここでひとつ注目したいのが米金利のなかでも、とくに金融政策の影響を大きく受ける米2年債利回りの動向です。
米2年債利回りは5月FOMCを前後して一時2.7%以上に上昇しました。これは、米国の政策金利であるFFレートが、基本的にこの先2.5%以上に引き上げられることを織り込む動きと言えるでしょう(図表6参照)。
先週公表された5月FOMC議事録では、景気に対して中立的な水準以上へ政策金利を引き上げる可能性が確認されており、それはまさにFFレートの2.5%以上への引き上げと受け止められました。
そのような米利上げ見通しが基本的に変わらなければ、米2年債利回りは2.5%を大きく下回る可能性は低いでしょう。米2年債利回りは、既に先週にかけて一時2.5%を割れるところまで低下しているので、FFレートがこの先2.5%以上に引き上げられるといった見通しに変わりないなら、さらなる米2年債利回りの低下は限られるのではないでしょうか。
逆に言うと、米利上げ見通しに下方修正の可能性が出てきた場合、具体的にはFFレートは2.5%未満の引き上げにとどまりそうとなった場合は、米2年債利回りも低下余地が拡大する可能性が出てくるでしょう。
6月半ばにはFOMCが予定されていますので、それをにらみながらこれまで織り込んできた米利上げ見通しを吟味する展開となりそうです。
その上で、米2年債利回りの低下が限られるようなら、米ドル/円も節目である125円を割らない程度の下落にとどまりそうです。ただ、米2年債利回りが2.5%を大きく下回る動きになる場合は、米ドル/円も125円を割り込み、下落リスク拡大に注意が必要になるのではないでしょうか。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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