急速な円安進行に一服感も、6月中に「1ドル135円」まで進む可能性【国際金融アナリストが解説】

6/7~6/13の「FX投資戦略ポイント」

急速な円安進行に一服感も、6月中に「1ドル135円」まで進む可能性【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

2022年3月から始まった「怒涛の円安相場」が一服し、落ち着いた動きをみせていた米ドル/円でしたが、足元では再び米ドル高・円安基調となっています。そのようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、条件次第で一気に「1ドル135円まで米ドル高・円安が進む可能性があるといいます。詳しくみていきましょう

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    「6/7~6/13のFX投資戦略」のポイント

    [ポイント]

    ・米ドル、米金利とも短期的な「上がり過ぎ」修正が進み、米ドル高値再トライの流れに。米ドル高値更新なら、次の目標は135円。

    ・米ドル下落リスクは、米金利低下と日本の円安阻止介入の可能性。6月15日予定のFOMCにかけて米ドル高値圏でボラティリティーの高い波乱含みの展開が続く可能性に要注意か。

    調整一巡で米ドル高再燃

    米ドル/円は5月に131円台から126円台まで反落しましたが、先週は上昇が再燃すると、一気に131円近くまで戻り、あっという間に131円台の直近米ドル高値更新も射程に入るところとなりました(図表1参照)。

     

    5月にかけて記録的スピードで展開した米ドル高・円安の調整が一段落して、米ドル高・円安の再トライの流れが始まっているということでしょう。

     

    (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)
    [図表1]米ドル/円と日米2年債利回り差(2022年3月~) (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

     

    まずは、米ドル/円の90日MAかい離率を見てみましょう(図表2参照)。同かい離率は、4月末にはプラス10%以上に拡大しました。これは、米ドルの短期的な「上がり過ぎ」懸念がかなり強くなっていたことを示していました。

     

    そんな90日MAかい離率は、その後米ドルが126円台まで反落する中で4%台まで縮小しました。短期的な「上がり過ぎ」の修正が進んだことで、米ドル上昇が再燃しやすくなっていたと考えられます。

     

    (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)
    [図表2]米ドル/円の90日MAかい離率(2000年~) (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

     

    似たようなことは、米ドルが連動する傾向のある米金利についてもいえそうでした。

     

    たとえば、2.8%近くまで上昇した米2年債利回りは、その後一時2.5%割れまで低下しました(図表3参照)。昨年からの金利急騰のなかでは、それはごく小幅の低下に過ぎない印象かもしれませんが、ただこれを90日MAかい離率で見るとイメージは大きく異なったものになります。

     

    (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)
    [図表3]米2年債利回りの推移(2021年1月~) (出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

     

    米2年債利回りの90日MAかい離率は、一時プラス100%程度まで上昇し、短期的な「上がり過ぎ」懸念が未曽有の拡大となっていた可能性がありました(図表4参照)。ところがそれは、一時プラス20%程度まで急縮小となったのでした。

     

    (2010年~)(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)
    [図表4]米2年債利回りの90日MAかい離率 (2010年~)(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

     

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