内申点があれば入試当日のミスをカバーできる
■一般入試における内申点の扱い方
私立高校の一般入試では、各校によって内申点(調査書)の扱いは異なります。
例:【青山学院高等部】
内申点は、1年から3年まですべて記入して調査書を作成。
一般選抜は、筆記試験・書類審査によって行われる。中学3年2学期の内申点を加味しているが、その割合は非公表。
例:【中央大学附属高校】
都道府県立高校へ提出する調査書と同一内容で作成。
合否基準は、3科目の合計点と調査書の記載を基に、総合的に判断。入試当日の学力検査重視。このように、私立高校の一般入試では、学校によって調査書の扱いが異なります。調査書の内申点を、学力検査の得点に加算しない学校、参考程度の学校もあり、その場合は本当に、当日の試験一発勝負になるというわけです。
一方、東京都立などの公立高校では、一般入試は学力検査重視とはいえ、学力検査の点数に内申点が加算され「総合得点」として合否判定をします。
当日の試験は一発勝負ですから、万が一思ったように得点できないこともあるかもしれません。
そのときのために、ライバルと比べて少しでも高い内申点があれば、カバーできる可能性が高まります。後々のことを考えると、内申点はしっかりと、とれるだけとっておきたいところです。
例:【都立高など公立高校】
東京都立高校の一般入試では、学力検査と調査書の点数を合計した総合得点順に選抜され、合格が決まります。全日制課程の場合、学力検査点700点と、調査書点300点で、総合得点1000点満点です。学力検査と調査書の比率は、原則として7対3で、さらに、面接や作文などを実施して総合得点に加え、成績順に選抜する学校もあります。
都立高校が、合否判定に加算する調査書点とは何でしょうか。
▼都立の場合、3年時の9科の評定を使用し、調査書点を算出します。入試科目である5教科はそのまま積算し、実技4教科は2倍にします。
▼出願には、学校からもらう調査書を願書と一緒に提出します。
東京の都立高校を目指すなら、定期テストは合格のポイントになると言っても過言ではないでしょう。
息子は、1年時の成績に比べると3年の2学期は、9教科の合計を「8」上げることができました。都立高校の場合、3年の1~2学期の9教科の評定が、内申点となって加算されます。特に、音楽、保健体育、技術家庭、美術の実技4教科は、5段階評定を2倍にして計算します。となると、5教科以外も手を抜かない姿勢が、都立を目指す受験生にとってはより大切になってきます。
普段から実技科目にもきちんと取り組みましょう。当たり前のことですが、学校にとって、5教科以外の科目に対しても真剣に取り組む生徒は好印象です。
『内申点があってよかった』
これは息子の感想です。息子は、都立入試の本番、理科と社会は、少しミスをしたため、予想していたほど得点は伸びませんでした。このため、ライバルの受験生たちと比べたとき、内申点を上げておけたことは大きく、全体の得点を下げずに済んだと考えられます。
息子の場合、9教科の評定の合計は1年時と比べると3年時に「8」上がりました。評定を点数化した場合、55点のプラスになっています。これが当日の学力検査の得点に加算され、合否は総合得点で決まるのです。内申点があってよかったです。
このように、内申点は入試当日のミスをカバーできるセーフティーネットの役割を果たせるかもしれません。そう考えると、内申点を少しでも上げておくことは得策だといえるでしょう。
【まとめ】
内申点は推薦と一般、両方に関わる。
※各高校の入試の詳細は2020年度の情報による。
塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター