高校受験と内申点は、密接な関係がある
次は、その内申点について、もう少し詳しく見ていきましょう。
②『内申点』
内申点とは、簡単に言えば、通知表の評定の数字です。公立中学校の場合、一部を除きますが、教科ごとに5段階評価でつけられています。3年生にもなれば、保護者の間で「うちの子は内申が……」などと話題になることも多いですね。受験と内申点は、密接な関係があります。
■推薦入試における内申点の扱い方
例えば、私立高校の推薦入試は、内申点がいわゆる「受験するための整理券」のような役割を果たしています。これがないと受験できない、というわけです。実際に、多くの私立高が推薦に基づく入学選抜を実施しています。各学校が定めた成績基準、すなわち出願資格を「内申点合計××以上」や「9科に2がないこと」などとしている高校が多いのです。
よって、内申点が基準に届いていない、基準を満たしていない場合は、受験することができないということになります。
例:青山学院高等部・推薦入試出願資格
●3年2学期の9教科の評定が次の条件を満たしていること。
●5段階評定の評定合計が男子38以上、女子41以上の者。
●5段階評定で各教科「2」以下の評定がない者。
●3年次の欠席日数が5日以内で、1年次から3年次までの欠席日数の合計が15日以内であること。
この他、合格後に入学を確約できることや保護者のもとから通学可能など、出願時に全ての条件を満たしていなければなりません。
希望する私立高校への推薦入学を考えている生徒は、定期テストや課題など、中学校での学業を丁寧に積み重ねて、しっかり内申点をとれるように準備しておくことが必要です。
■加点制度について
私立高校については、学校によって内申点に独自の加点制度があるため、内申点が低い場合でも、あきらめずに推薦入試にチャレンジできる場合があります。
例えば、加点対象として取り入れている学校が多い項目は、
●英検・漢検・数検3級以上など
●3年間皆勤
●生徒会長、部活動部長などの経験
●親や兄弟姉妹が卒業生、または在校生
などです。
もし内申点が不足している場合も、これらの項目を満たしていれば内申に加点され、基準を満たせる可能性があります。よって、内申基準に達していないときもあきらめず、ぜひこの加点制度を利用してみましょう。
特に、各検定受検は時期が決まっています。志望校にどんな加点制度があるのか、早めに調べておくといいでしょう。最近は、校内で、英検や漢検を受験できる公立中学校が増えています。これも受験対策の一環でしょう。
校内受験が可能だったこともあり、息子は、中3の1学期に英検準2級と漢検3級を取得しました。もともと本人は、検定には興味なく過ごしていましたが、3年になりクラスを見渡すと、受験する生徒がちらほらいたので、自分も受験してみようと考えたようです。特に、加点制度を利用したわけではありませんが、受験校がまだ不確定だったことに加え、英語も漢字も力試しになると考えて受験しました。
■都立高校の推薦入試
都立高校の推薦入試には、内申基準はありません。ただし、中学校側に内申の目安があるため、あまりに内申点が足りない場合は、推薦することが難しい場合があるかもしれません。
推薦入試は、中学校がその生徒を高校に推薦するかたちで受験させます。校長の推薦書をもって受験するため、中学校側は、推薦するにふさわしい生徒かどうかを判断することになります。
推薦入試を受験する場合、基準の内申点に達していることはもちろんマストですが、その高校に合格すれば入学することを約束して受験します。そのため、子どもを中心に、家族・学校の両方でしっかりと話し合うことが大切でしょう。