(※写真はイメージです/PIXTA)

「プライバシーが心配」「日当たりが悪い」などと避けられがちな1階住戸。長期空室回避のため、家賃を下げるオーナーもいますが、むしろ1階住戸ならではの魅力と、それを求める入居者像を知ることが必要です。ここでは、1階住戸が避けられる理由とともに、その裏側ともいえる「知られざる魅力」、そして入居希望者の属性や部屋づくりのアイディア等を紹介します。

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    1階住戸の「いいところ」4つ

     

    何事も、悪い部分を上げ連ねれば際限なく出てくるものです。だからといって良い部分がまったくないわけではありません。1階住戸にもメリットはあります。

     

    ●地震の揺れやその後の影響が少ない

    地震が発生した際、上層階より低層階の方が揺れは少なくなります。また地震の影響でエレベーターが止まってしまったとしても、1階住戸での生活に大きな影響はありません。

     

    ●戸建感覚で暮らせる

    庭やテラスがある1階住戸であれば、ガーデニングを楽しんだり、夏は家庭用プールを広げて子どもを遊ばせたり、ペットを走り回らせることもできます。

     

    ●騒音クレームを受ける心配がない

    階下に部屋がないため、足音などの騒音でクレームを受ける心配がありません。子どもたちが走り回っても、床面に振動が響きやすいフィットネス器具を使っても迷惑はかかりません。

     

    ●エレベーター待ちがない

    エレベーターを使用しない1階住戸なら、朝の通勤時に混み合う「エレベーター渋滞」に巻き込まれる心配がないので、ストレスなく出勤できます。

     

    地震発生時とその後、庭の活用法、騒音対策など、1階住戸のデメリットとメリットは裏腹です。視点を変えれば良い方向へ転じる事柄もあるということです。

    1階住戸を求める入居者とは、どんな人たち?

     

    前述の通り、1階住戸は外部からの視線や騒音に悩まされることや、日当たりの悪さ、空き巣などに狙われやすいといったデメリットが数多くあります。

     

    その反面、最下階ならではのメリットがあることも事実です。これらのメリットに魅かれ、あえて1階住戸に入居したがる人たちもいます。それはどのような人たちなのでしょうか。

     

    ●子育て中のファミリー

    小さな子どもがいるファミリーは他の部屋に気兼ねなく子育てをしたいものです。周囲に迷惑をかける第一の原因は子どもたちが室内を駆け回る足音騒音のため、下階に部屋のない1階住戸を希望するケースが少なくありません。それに加え、乳児が誤ってバルコニーから転落する心配もないので、子育て中のファミリーにはおすすめです。

     

    ●階段の昇り降りが辛い高齢者

    人は年齢を重ねるとどうしても足腰が弱くなります。そのため高齢者は階段を使う必要のない1階住戸を望む傾向にあります。昨今は高齢者の新規入居を拒否するケースもあるようですが、息子や娘名義での賃貸借契約や、親族の定期的な訪問を依頼することで不安解消は可能です。

     

    ●可視性の高い路面店舗

    「居住用限定」といった管理規約上の縛りがないことが条件ですが、人通りの多い道路に面しているなら、思い切って店舗や事務所として改装してみてはいかがでしょうか。1階の店舗、いわゆる「路面店」は居住用賃貸より高い家賃設定が可能です。

     

    1階住戸を求める入居者層は、意外と幅広いことがわかりました。ただし、小さな子どももいずれ中高生になりますから、1階に暮らすメリットは数年で終わります。高齢者は長期入居が見込めますが、親族の見守りや介護サービスに期待できなければ、何かしらの対策(高齢者用ホームセキュリティーの導入)も必要です。

     

    また賃貸住宅を居住用から店舗・事務所へ変更する場合は納税条件が変わってきますので、その際は専門家への事前相談をおすすめします。

     

    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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