(※写真はイメージです/PIXTA)

早期の決着が見込まれていたはずのロシアのウクライナ侵攻ですが、いまだ戦火がやむ気配はありません。複数回にわたって行われた停戦協議は暗礁に乗り上げ、ウクライナ避難民は500万人を優に超えていると言われています。では、そもそもプーチン大統領の大義はどこにあるのでしょうか? また、現状以上の被害を食い止めるために我々が優先するべきこととは? ウクライナ人国際政治学者が、ロシアの歴史と照らし合わせて解説します。

降伏すれば大量虐殺、民族浄化の悲劇が

降伏すればウクライナで大虐殺、民族浄化が始まることが予見できます。ロシア人とウクライナ人を同一視できない人は粛清されるでしょう。抵抗する者は虐殺され、抵抗しなかった者はアイデンティティを改造されます。

 

犠牲を最小限にとどめるには、国際社会に武器の供給支援を訴えることが何よりも大切です。一刻も早く、ウクライナ軍がロシア軍を撃退する戦闘力をもつことでしか、終わらせる方法はないのです。

 

また、もし今ウクライナが降伏したならば、ロシアは間違いなく別の旧ソ連諸国を相手に、新たな侵攻を始めるでしょう。いずれにせよ、降伏では被害を最小限にとどめることはできないのです。

 

ロシア市外には「大国主義」がいまだ色濃く根づいているため、「領土拡大に成功した指導者が素晴らしい指導者である」という評価基準をもっているロシア国民は少なくありません。

 

国際社会からみたプーチン大統領の評価と、ロシア国民から見たプーチン大統領の評価は、ことのほか乖離しています。このギャップが埋まらない限り、彼が政権を手放す日は遠いのかもしれません。

 

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