「韓国の徴兵制度」免除される条件は…
韓国には徴兵制度が存在し、男性は満20~28歳の誕生日を迎えるまでの間に兵役に就く義務がある。
とはいえ、すべての男性に兵役が課されるわけではない。
疾病や心身障害を抱える人、本人がいなければ家族の生計を維持できない人、孤児、低身長・低体重・肥満のいずれかに当てはまる人、性転換者は免除に当てはまる場合が多い。そのほか、高卒以上でない場合、前科持ちである場合も兵役に就けない可能性が高くなる。
また「オリンピックで3位以内に入賞した選手」「アジア大会で1位に入賞した選手」や、「国際芸術競演大会2位以上入賞者」「国内芸術競演大会(国楽や韓国舞踊など)1位入賞者」「重要無形文化財伝授教育履修者」など、芸術・体育分野の特技を持つ人は、文化体育観光部長官の推薦により、通常の兵役業務ではなく芸術・体育要員として服務することとなる。
改正法が成立したが…BTSは兵役に行くのか?
そんななか、国内外で多くの注目を集めるのがBTSの兵役問題だ。
芸術で成果をおさめた人は通常の兵役業務を免除されることになるが、BTSをはじめとしてアーティストにそれは認められていない。しかし2021年6月に施行された改正法、通称「BTS法」により、現在BTSは「大衆文化芸術分野優秀者」として入隊が2年延期されている状態である。
芸能人は28歳の誕生日を迎えるギリギリまで活動してから入隊するケースが多く、今年は多くの1994年生まれのアイドル・俳優の入隊が予想されるが、BTS最年長メンバーのJINは1992年生まれ。改正法により2年引き延ばされたことに起因するが、このままいけば今年中に入隊しなければならない。
6月10日にカムバック(新曲やアルバムのリリース)したBTSであるが、ニューアルバム『Proof』は3枚組のアンソロジーアルバムで、デビューしてから9年間の集大成と言える作品だ。所属事務所は「10年目のアーティストとして新しいチャプターを開くこの瞬間」と紹介するが、「入隊前最後の集大成なのでは?」と予測する声も聞かれる。
BTSのメンバーが徴兵されるとなれば多くのファンにとっては非常に辛い事実であるに違いないし、経済的な打撃も相当なものになるだろう。とはいえ、これまでも韓国内では「兵役逃れ」に非常に厳しい意見が聞かれてきたし、BTSに対しても例外ではない。