米ドル円130円近辺でもみ合い…「怒涛の円安相場」終焉か【国際金融アナリストが解説】

5/10~5/16の「FX投資戦略ポイント」

米ドル円130円近辺でもみ合い…「怒涛の円安相場」終焉か【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

3月以降、米ドル/円はほぼ一方向に米ドル高・円安が続いていましたが、先週は130円前後の水準で一進一退の展開となりました。今回、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が、さまざまなデータを紐解き、「怒涛の円安」一服の可能性について考察します。

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    米国グロース株の「記録的な割高」が是正

    ナスダック総合指数/NYダウの相対株価は、ITバブルと呼ばれた2000年以来となる0.45倍から、先週はついに0.37倍を割れるところまで低下してきました(図表8参照)。

     

    これは、この間の株安の主因が、NYダウに対するナスダック指数のITバブル以来の記録的割高の是正だった可能性を示しているでしょう。構成銘柄との関係で、NYダウをバリュー株、ナスダック指数をグロース株とすれば、バリュー株に対するグロース株の記録的な割高の是正ということになります。

     

    (出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)
    [図表8]ナスダック総合指数/NYダウ相対株価(1990年~) (出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)

     

    ただ同相対株価は、「コロナ・ショック」前の0.3倍程度はまだまだ大きく上回っています。かりに、同相対株価が0.3倍へ一段と低下するなら、NYダウが先週末の終値で横這いとして仮定した場合でも、ナスダック総合指数は1万ポイントの大台割れへ一段と下落するといった計算になります。

     

    以上見てきたように、最近にかけての米国株の下落拡大の根底にあるのが、「コロナ・ショック」後の金融緩和などを受けた、ITバブル以来のグロース株の割高を是正する動きということなら、それはまだ終わりではない可能性があるでしょう。

     

    また、そういったなかで、インフレ対策から先週FOMCが利上げ幅を0.5%に拡大した影響も注目されるところではないでしょうか。
     

     

    吉田恒

    マネックス証券

    チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

     

    ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

     

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