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米国グロース株の「記録的な割高」が是正
ナスダック総合指数/NYダウの相対株価は、ITバブルと呼ばれた2000年以来となる0.45倍から、先週はついに0.37倍を割れるところまで低下してきました(図表8参照)。
これは、この間の株安の主因が、NYダウに対するナスダック指数のITバブル以来の記録的割高の是正だった可能性を示しているでしょう。構成銘柄との関係で、NYダウをバリュー株、ナスダック指数をグロース株とすれば、バリュー株に対するグロース株の記録的な割高の是正ということになります。
ただ同相対株価は、「コロナ・ショック」前の0.3倍程度はまだまだ大きく上回っています。かりに、同相対株価が0.3倍へ一段と低下するなら、NYダウが先週末の終値で横這いとして仮定した場合でも、ナスダック総合指数は1万ポイントの大台割れへ一段と下落するといった計算になります。
以上見てきたように、最近にかけての米国株の下落拡大の根底にあるのが、「コロナ・ショック」後の金融緩和などを受けた、ITバブル以来のグロース株の割高を是正する動きということなら、それはまだ終わりではない可能性があるでしょう。
また、そういったなかで、インフレ対策から先週FOMCが利上げ幅を0.5%に拡大した影響も注目されるところではないでしょうか。
吉田恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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