日経平均株価が割安な水準は「27,000円割れ」か
日経平均株価は、3月9日にはザラ場で年初来安値(2万4,681.74円)を更新した後、配当取りや配当再投資への期待から3月14日以降9連騰を記録し、25日に2万8,338.81円まで急回復した。
4月に入ると急ピッチな上昇に伴う利益確定の売り圧力に加え、高官による相次ぐタカ派発言がみられたことでFRBによるオーバーキルリスクが懸念され売りに押される展開となった。特に米10年債利回りが年初来高値を更新したこと等が嫌気された。
また、ウクライナにおける地政学リスク(経済制裁などに伴う先行きの景気減速圧力を含む)が残るなか、新型コロナが再流行する中国で都市封鎖(ロックダウン)が継続し、中国景気の下押し圧力が強まるとの見方なども上値を抑える要因となった。4月21日取材時点で、日経平均株価は2万7,000円を上回って推移している。
世界経済にピークアウト感がみられ、また商品価格が高止まりするなどインフレ圧力が強まることで先行きの「スタグフレーション(経済活動の停滞と物価上昇の併存)」リスクが意識されるなかでは、景気敏感株として捉えられることも多い日本株の積極的な上値追いの買いは見込みにくい展開が続こう。
一方、足元1ドル=125円を超える円安は輸出企業を中心とした業績のバッファー(緩衝)として働こう(4月発表の日銀短観における全産業ベースの22年度想定為替レートは111.93円)。
4月下旬から日本の決算発表は本格化するが日経平均株価が2万7,000円を下回る水準(日経QUICK予想PERは概ね13倍割れの水準)ではバリューを重視した投資家の買いが継続的に期待できるとみる。
また円建て日経平均と比較し(海外投資家が活用することも多い)ドル建て日経平均株価は年初来安値圏にあることも下値では買いが入りやすいとみる(円高、株高はドル建てのパフォーマンスを高める)。
4月は海外投資家の現物買いが入りやすいとの経験則もあるが、目先、米長期金利にピークアウト感が見られ、日米金利差縮小を通じたドル高円安の緩やかな修正の動きとともにグロース・値がさ株の投資家の選好が強まる場合にはドル建て中心に日経平均株価は上昇しやすい(現物とともに先物も含めた海外投資家の資金が流入しやすい)と考える。
7月の参院選に向けた日本株独自のアップサイドリスク(モメンタム改善)も考慮しつつ目先は米長期金利のピークアウトのタイミングを測りたい。
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
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