「過剰飲酒をしない女性」の脂肪肝リスク…60代が「要注意世代」なワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「脂肪肝」というと、世間では「酒飲みかかる病気」というイメージが強いかもしれません。しかし近年、日常的にアルコール摂取がない、あるいは少ない人にみられる脂肪肝、「NAFLD(ナッフルディー)」が着実に増えてきているといいます。今回は特に「女性」に着目し、NAFLDの発症リスクを見ていきましょう。みなと芝クリニック院長・川本徹医師が解説します。

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NAFLDは肥満との関連が強い

肥満の増加とともに、脂肪肝も増えています。自分のBMI(Body Mass Index)を知ることは一つの目安になります。

 

BMIの計算式は、BMI=体重kg÷身長mの2乗です。

 

最近では、自動で算出してくれる体重計や、スマホやパソコンにデータを送りグラフ化して推移を簡単にチェックできるものもあります。

 

日本肥満学会が定めた基準では、BMI18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」となります。

 

日本人のBMIとNAFLD有病率との関連を調べた研究があります。それによると、BMI23未満の非肥満者で有病率は10.5%であり、BMI23~25未満では37.9%、BMI25~28未満では58.4%、BMI28~30未満では84.2%、BMI30以上の高度肥満者では有病率89.1%となっています。このようにBMIが上昇していくと、高確率で脂肪肝になるといえます。

 

また厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20歳以上の肥満(BMI25以上の人)の割合は男性約3割、女性は約2割です。これを年代別に見ると男性では40歳代が39.7%と最も高く、次いで50歳代が39.2%となっています。女性は高年齢層で肥満者の割合が高くなり、60歳代で28.1%と最も高くなっています。

 

この傾向は、NAFLDになりやすい性別・年代とも重なってくるのです【図表】。

 

Eguchi Y, et al. J Gastroenterol 2012より引用
【図表】NAFLDの性・年齢別頻度 Eguchi Y, et al. J Gastroenterol 2012より引用

 

またメタボリック症候群を合併すると、そうでない人に比べてNAFLDになる確率が男性で4倍、女性で11.2倍も増加するという報告があります。

 

メタボリック症候群の診断基準は、ウエスト周りの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上を必須条件として、脂質異常・高血糖・高血圧のうち2つ以上を合併した状態に該当することです。特にウエスト周囲径の増大は、脂肪肝の強いリスク因子であると考えられています。最近、お腹周りにお肉がたっぷりとついてきた、という人は要注意です(※1、2)

 

※1 国立大学法人 筑波大学「日本人には非肥満脂肪肝患者が多い」

※2 学校法人 順天堂「非肥満者では内臓脂肪の蓄積よりも脂肪肝が筋肉の代謝障害と強く関連する」

みなと芝クリニック 院長 東京女子医科大学非常勤講師
東邦大学医学部客員講師
元日本胆道学会評議員

1987年筑波大学医学専門学群卒業。1993年筑波大学大学院医学研究科修了。大学院修了後は筑波大学附属病院の消化器外科に所属し、研鑽を積む。

1996年筑波大学臨床医医学系外科講師に就任。胆道外科を専門とし、特に胆のうがん、胆管がんの外科治療に専従する。2003年に渡米し、アメリカのテキサス大学MDアンダーソンがんセンターにてがん分子標的薬の研究に従事し、がんの発生および進展メカニズムについて深い知見を有する。

現在は東京都港区にみなと芝クリニックを構え、内科・胃腸内科と外科のほかに、皮膚科、整形外科、大腸・肛門外科を標榜し、幅広い診療を行っている。

著者紹介

連載その放置が死を招く!?「脂肪肝」の怖さと正しい対処法

※本連載は、川本徹氏の著書『死肪肝』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

死肪肝

死肪肝

川本 徹

幻冬舎メディアコンサルティング

沈黙の臓器、肝臓。 「気付いたときにはすでに手遅れ」を防ぐために――。 臨床と消化器がんを研究し、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターでがん治療の最先端研究に携わった著者が、脂肪肝の基礎知識とともに肝…

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