資産運用 外国為替
連載国際金融アナリスト・吉田恒氏が解説!今週のFX投資戦略【第86回】

1ドル130円に迫る「行き過ぎた」円安も…日銀が為替介入しないワケ【国際金融アナリストが分析】

4/26~5/2の「FX投資戦略ポイント」

FX投資投資戦略

1ドル130円に迫る「行き過ぎた」円安も…日銀が為替介入しないワケ【国際金融アナリストが分析】 (※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル円は一時130円に迫るなど、「行き過ぎた動き」が目立っています。ただ、こうしたなかでも、今のところ日本政府および日銀は「静観」を貫いています。足元で「悪い円安」との声も増えるなか円安阻止に動かないのはなぜか……マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が、さまざまなデータを紐解きつつ分析します。

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「4/26~5/2のFX投資戦略」のポイント

[ポイント]​

・金利差からのかい離が目立つなど、さすがに米ドル高・円安も短期的な「行き過ぎ」懸念が高まってきた。当面は米ドル高値圏で荒っぽい展開が続きそう。

・短期間の一方的な円安により、経験的には円安阻止介入の可能性が高くなってきたのではないか。介入の効果は、米国との協調ではなく、日銀の金融政策との整合性が鍵。

短期的な行き過ぎ懸念強まる「怒涛の円安」

先週の米ドル/円は一気に130円まで迫る動きとなったものの、その後は日米協調介入に関する一部報道を受けて、一時は127円台まで反落となりました。

 

このように米ドル高値圏で荒っぽい値動きとなった背景には、記録的ペースでの米ドル高・円安、いわば「怒涛の円安」が展開するなかで、さすがに短期的な行き過ぎの可能性が強まっているということがあるのではないでしょうか。

 

たとえば、米ドル/円と日米金利差の関係は先週にかけてかい離が目立ってきました(図表1、2参照)。記録的なペースでの米ドル高・円安、「怒涛の円安」も、これまでは基本的に日米金利差米ドル優位拡大に裏付けられたものでしたが、先週にかけては金利差で説明できる範囲を超えた米ドル高・円安が広がりました。

 

(出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)
[図表1]米ドル/円と日米10年債利回り差(2021年10月~) (出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)

 

(出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)
[図表2]米ドル/円と日米2年債利回り差(2022年1月~) (出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)

 

また、米ドル/円の90日MA(移動平均線)かい離率は一時プラス10%まで拡大しました(図表3参照)。過去10年で、同かい離率がプラス10%以上に拡大したのは3回しかありませんでした。2013年2月、2014年12月、そして2016年12月です。

 

(出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)
[図表3]米ドル/円の90日MAかい離率(1990年~) (出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成)

 

これらはそれぞれ、アベノミクス円安の第一幕、黒田緩和第二弾を受けた円急落、そしてトランプ・ラリーの米ドル暴騰です。いずれも、歴史的な米ドル高・円安大相場として知られたものばかりですが、90日MAかい離率で見ると、先週にかけての「怒涛の円安」は、そんな歴史的円安大相場のクライマックスに近いほどに「行き過ぎ」が目立ってきたわけです。

 

米ドル/円の90日MAは、足元で118円近くまで上昇してきました。このためそれからのかい離率がさらに11~12%まで拡大するなら、132円前後まで「行き過ぎた米ドル高・円安」が続く計算になります。

 

ただし、行き過ぎ懸念が強まるとその反動も大きくなりやすく、先週に続いて、当面米ドル高値圏での荒い値動きが続く可能性が高いでしょう。

 

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マネックス証券  チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長

大手の投資情報ベンダーの編集長、社長などを歴任し、国際金融に関する情報発信の分野で活躍。 機関投資家に対するアナリストレポートを通じた情報発信はもとより、近年は一般投資家および金融機関行員向けに、金融リテラシーの向上を図るべく、「解りやすく役に立つ」事をコンセプトに精力的に講演、教育活動を行なっている。 2011年からマネースクエアが主催する投資教育プロジェクト「マネースクエア アカデミア」の学長を務めた。 書籍執筆、テレビ出演、講演等の実績も多数。

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