「景気は緩やかに回復」のウソが消費増税の根拠
■「緩やかに景気は回復している」はやっぱりウソだった
――デフレからの脱却といえば、第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日に安倍総理(当時)は、「デフレ脱却が我々の政権に課せられた使命であります」とおっしゃっていましたよね。
そして、7年後の2019年11月20 日、在職日数が第1次内閣を含めて通算2887日という憲政史上歴代1位になったことを受けて、安倍総理は記者会見で、「デフレからの脱却、少子高齢化への挑戦、戦後外交の総決算、その先には憲法改正もある。チャレンジャーの気持ちで令和の新しい時代をつくる」と表明されていました。
前々から、政府がいくら「景気は緩やかに回復している」といっても、私はピンとこなかったのですが、そのコメントを耳にして、ああ、やっぱりデフレ不況は続いていたんだな、と納得できました。
藤井 2020年7月30日ですよ、ようやく内閣府が「2012年12月から始まった景気の拡大局面が2018年10月に終わり、景気後退に入った」と認めたのは。2019年のことではなく、景気が後退したのは2018年のことなんですよ。
――やっぱり、だましてたんですよね、2年近くも! 不動産業は景気がいいと聞いていたし、株をたくさん持っている人は「使い切れないくらい儲かった」と吹聴していたので、確かに一部の人は本当に景気が良かったのでしょうけど、私のまわりで景気が良くなったという人は一人もいなかった。
「景気は緩やかに回復している」と聞くたびに、私たちだけ景気が悪いの? と思っていたけど、少なくとも2018年11月からは本当に景気が悪化していたんですね。それを隠して、ウソをつき続けていたなんて! ひどい、ひどすぎる。国民をバカにするのもええ加減にせぇーっ!! あ、ごめんなさい、はしたなくて。
藤井 いやいや、これはキレてもおかしくない話です(笑)。国民のみなさんは、本当のことをもっと知って、もっと怒るべきですよ。正当な怒りを持てない人が多過ぎることこそ、問題だと思います。僕なんか、このニュースを聞いたときはキレまくりました。
というのも僕は、2019年の10月の時点で、去年の10月がピークですよ、と政府の方たちにいっていたんですよ。10月がピークで下がってきてるんですよ、とずーっと繰り返し、繰り返し、話していたんです。2018年の10月でピークやんけ! と。あ、キレてしもた。グラフの形(図表2)から明らかじゃないですか、と話していたのに。このグラフを見たら、小学生でもわかるでしょ。
なのに、「景気は緩やかに回復している」と、ずーっといい続けたんですよ! 目はついてんのか、ちゃんとグラフを見ろ、と。あかん、この話になると、やっぱりキレてしまう(笑)。グラフを見たら、2018年の10月に山の頂上があるのがわかるでしょう、と。
だから景気が後退していることがもうハッキリ判断できるんだから、増税なんかしちゃ絶対だめだってずっといってたんです。政府が消費増税するといってた2019年の10月時点で。
それは僕だけじゃなくて、心ある人たちはみんな、そういっていたんです。それなのに「景気は緩やかに回復している」といい続けて、景気が上向いているからと消費税率を上げたんですよ。