②ホットリンク(3680)
売上高の推移:20年12月期が43.9億円、21年12月期(予想)が58億円、22年12月期(予想)が75億円。増収率は、前期から今期が32%、今期から来期が29%。
大株主:代表取締役の内山幸樹さんが筆頭株主で16.6%(9/17時点)
■「SNSマーケティング支援」の事業で追い風が吹きやすい環境
ホットリンクは、データ解析によるSNSマーケティングの支援を行っている会社。ビッグデータ販売と中国市場向け販促支援を手がけています。
注目したのは、【特色】の欄に出てくる「クロスバウンド」という言葉。クロスバウンドとは、簡単にいえば、日本から海外に向けたアウトバウンドと、海外から日本に向けたインバウンドを両方カバーするという意味です。
もともとは外国人向けのインバウンド事業を手がけていましたが、中国市場のレポーティングサービスや中国でのプロモーション支援などを含めて、双方向で事業を伸ばしていこうとしている点が特徴です。実際、売上高も伸びています。営業利益は19年、20年と赤字が連続していますが、21年は黒字転換予想。売上高の伸び方を見ると利益もついてくる可能性は十分に期待できます。
もう1つのポイントは、SNSマーケティング。私の野村證券の同期で、現在はある企業でSNSマーケティングをしている人がいます。彼によれば、いまやSNS上のマーケティングはあらゆる企業が着手し、お金が出やすい状況になっているそうです。マーケットも巨大。その流れで見ても、ホットリンクに追い風が吹きやすい環境といえます。
③カラダノート(4014)
売上高の推移:20年7月期が7.3億円、21年7月期(予想)が10億円、22年7月期(予想)が13億円。増収率は、前期から今期が37%、今期から来期が30%。
大株主:取締役の佐藤竜也氏が筆頭株主で53.7%、2位は取締役の田中祐介氏(9/17時点)
カラダノートは、妊娠中や育児をしている層に向けたファミリーデータプラットフォーム事業を展開している会社。
ユーザーであるママたちにキャンペーン情報などを提供し、ママたちから生活環境に関する情報などを取得します。この情報を蓄積し、企業に向けて、サービスの提案、データ提供によるマーケティングの効率化支援などを行っています。簡単にいえば、ママと、ママ向けのサービスを提供したい企業の接点となるプラットフォームです。
■「感性銘柄」として売上の伸びに注目
注目したいのは、売上の伸びと、「家族」をキーワードとした事業である点。白か黒か、1か0か、といった判断基準は欧米では受け入れられやすいのですが、日本ではその中間や、1や0といった数値には明確に表せない価値を重視する傾向があります。そのような価値を事業に結びつけているビジネスは消費者に受けやすいと考え、成長力が期待できる中小型成長株に含めました。
ちなみに、このタイプの会社の株を、私は「感性銘柄」と呼んでいます。デジタル化や数値化が難しい、感覚的、定性的な情報に目を向けた事業を行っている会社の株です。中小型株の枠組みからは外れますが、ソケッツ(3634)、Macbee Planet(7095)、ユーザーローカル(3984)なども感性に着目した事業を展開しています。