25年以上『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読み続け、97冊以上を読破した渡部清二氏。同氏は「四季報を読むか読まないか。その差によって、有望企業を見つけられるかどうかが決まる」といいます。『会社四季報』といえば、約2000ページに及ぶ大著。一見、難しい情報ばかり載っていそうに思われます。ところが、実はたった6ヵ所を見るだけで、どんな人でも、これから株価がぐんぐん上がる優良企業を探すことができるのです。“四季報の達人”が、誰も知らない超優良企業を見つける「読み方」を伝授します。
企業情報の「アベジャパン・デラックス」に注目
四季報の企業情報は14のブロックに分けられています。各企業について知るために14の情報はそれぞれ重要ですが、すべて読み込むのは大変ですし、その必要もありません。有望株探しには14のうち6つのブロックを活用します。
14のブロックそれぞれにアルファベット(A~N)を当てはめると、そのうち本連載で有望株探しに使うのは、A、B、E、J、N、Dの6つです(図表1参照)。
この6つのブロックを「アベジャパン(A、B、E、J、N)、デラックス(D)」と覚えてください。
有望株探しは、基本的に「アベジャパン・デラックス」の6ブロックで完結します。
では、アベジャパン・デラックスから何がわかるのか、6ブロックを説明しましょう。
〈Aブロック〉企業概要
Aブロックは、社名、証券コード、特色が書かれている企業紹介のブロックです。証券コードは、上場企業1社ずつに割り当てられている数字で、四季報には数字が小さい企業から順番に掲載されています。
【設立】や【上場】の年もここに書かれていますから、「老舗株」を探す際にはこのブロックを確認します。
【特色】は、どんな事業を行っているかを説明している項目です。その企業がどんな市場で事業を展開し、どんな強みをもっているかがわかります。
特色の欄に「世界首位」「業界首位」「シェア1番」などと書かれている企業は、その分野で優位性をもっているということですから、「優良株」の可能性を秘めています。唯一の技術をもっていたり、大きなシェアを占めている企業は、その分野で価格決定権をもつことができるため、収益が安定しやすくなります。
複眼経済塾
代表取締役塾長
1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。
野村證券本店在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報徹底読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。記念月例会を日本の株式取引発祥の地、日本橋兜町ホールで開催。
テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。
「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一「四季報」を愛する男」と紹介された。
〈所属団体・資格〉
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト
神社検定1級、日本酒検定準1級
著者プロフィール詳細
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連載難しいことは一切ナシ!会社四季報の達人が教える「誰も知らない超優良企業」