①テセック(6337)
<減収増益から増収増益>
21年3月期は対前期比で減収減益、22年3月期(予想)は21年3月期比で増収増益
業績:
21年3月期 売上34.5億円 営業利益▲4.5億円
22年3月期(予想) 売上77億円 営業利益15億円
23年3月期(予想) 売上80億円 営業利益15.6億円
業種:機械
■半年で「株価4倍」を達成した優良株
テセックは、大手半導体メーカーに向けて、ハンドラ(選別装置)や車載パワーデバイスのテスター(測定装置)などを出荷。半導体用ハンドラ分野では国内で上位、個別半導体用テスターも世界トップクラスという力のある会社です。
直近の業績は、20年3月期は営業利益が▲0.9億円、純利益が▲1.7億円。21年3月期は営業利益が▲4.5億円、純利益が▲2.9億円でしたが、22年3月期(予想)は、営業利益が15億円の黒字化予想。純利益も12.7億円の黒字予想です。その背景にあるのは、半導体投資の活発化。受注が拡大して黒字転換の足がかりになっています。
すでに株価も上昇傾向で、2020年のはじめに700円ほどだった株価は1年半で3500円にまで急騰しました。だいたい4バガー。これが赤字から黒字転換に向かう株の威力です。その後、いったん2000円台まで下がりますが、テセックは、商品分野別のシェアで国内上位や世界トップクラスといった優良株の要素をもっています。
②和井田製作所(6158)
<減収増益から増収増益>
21年3月期は対前期比で減収減益、22年3月期(予想)は21年3月期比で増収増益
業績:
20年3月期 売上78.6億円 営業利益17億円
21年3月期 売上42.1億円 営業利益2.9億円
22年3月期(予想) 売上67億円 営業利益9.8億円
23年3月期(予想) 売上78億円 営業利益17.5億円
業種:機械
■減収減益からいきなり増収増益に至るパターンは、株価が大きく上昇する
和井田製作所は、飛騨高山にある工作機械メーカー。切削工具用の機械と金型用の特殊研削盤を扱い、どちらも国内首位です。
21年3月期が対前期比で大きな減収減益。売上は約半分、純利益に至っては8割減。しかし、22年3月期はV字回復して増収増益の予想。その幅が大きく、純利益は2.2億円から7億円で約3倍増。来期予想は11.6億円で、さらに1.5倍をめざしています。
和井田製作所は、中小型株、バリュー株、優良株の要素をもっています。時価総額は83億円と小さく、自己資本比率は75%と高め。また、国内首位の機械もあり、機関投資家にも高く評価されています。こうした条件を踏まえると、タイプとしては、2019年からの2年で株価が10倍以上になったレーザーテック(6920)に近いかもしれないと考えています。
③セレスポ(9625)
<減収増益から増収増益>
21年3月期は対前期比で減収赤字、22年3月期(予想)は21年3月期比で増収黒字転換
業績:
20年3月期 売上166億円 営業利益12.1億円
21年3月期 売上43.9億円 営業利益▲18億円
22年3月期(予想) 売上120億円 営業利益4億円
23年3月期(予想) 売上110億円 営業利益3.5億円
業種:サービス業
■コロナ禍で大打撃を受けたイベント会社だが…
セレスポは、スポーツイベントなどの企画や設営を行う会社。コロナ禍によるイベント中止で大きな打撃を受けた業界の1社です。
業績は、コロナ禍の影響で21年3月期に大きく悪化しました。21年3月期は、営業利益で18億円の赤字転落です。ただ、ワクチンの普及とコロナ禍の収束を見据えると、イベントは徐々に再開されると思われます。そう考えると、21年3月期の赤字転落は一時的で、再び黒字化が見込めると考えられます。
④JUKI(6440)
<減収増益から増収増益>
20年12月期は対前期比で減収赤字、21年12月期(予想)は20年12月期比で増収黒字転換
業績:
19年12月期 売上992億円 営業利益38億円
20年12月期 売上704億円 営業利益▲45億円
21年12月期(予想) 売上1000億円 営業利益53億円
22年12月期(予想) 売上1050億円 営業利益65億円
業種:機械
■業績回復が期待される世界一のミシンメーカー
JUKIは、アパレル企業向け工業用ミシンの製造販売会社。この分野では世界1位。家庭用でも3位と、業界で力をもっています。
赤字と黒字のブレが大きく、20年は、売上高が300億円近く減って704億円になった結果、営業利益は45億円の赤字転落となりました。ただ、工業用ミシンで世界トップの座を占めているなど、実績のある会社。とくにアジアで需要が大きく、中国での業績回復などを通じて21年は黒字転換に向かっています。株価は、2020年に500円を割り込みましたが、21年からは上昇傾向で800円台まで回復しています。実績がある会社で、業績回復も期待できることから、業績回復株の1つに含めました。
⑤ツカダ・グローバルホールディング(2418)
<減収増益から増収増益>
20年12月期は対前期比で減収赤字、21年12月期(予想)は20年12月期比で増収黒字転換
業績:
19年12月期 売上611億円 営業利益64億円
20年12月期 売上271億円 営業利益▲115億円
21年12月期(予想) 売上380億円 営業利益▲29億円
22年12月期(予想) 売上530億円 営業利益40億円
業種:サービス業
■コロナ禍で需要が低迷した分、その反動で売上高が伸びやすくなる
ツカダ・グローバルホールディングは、ホテルや結婚式場を運営する会社。国内だけでなくハワイやバリなどでも事業を展開しています。
これもコロナ禍直撃銘柄で、結婚式需要が大幅に減ったことで、20年は売上高が半減し、営業利益、純利益ともに赤字に転落しました。21年もコロナ禍が収束しなかったことから業績は低迷。20年よりは売上高が増え、赤字額が縮小していますが、2年連続で赤字継続の予想です。
これは言い換えれば、コロナ禍が収束すれば需要が戻ってきて、業績が回復する可能性が大きいということです。2年にわたって需要が低迷しているので、その分が丸ごととはいわないまでも、反動がついて売上高が伸びやすくなると期待できます。
渡部 清二
複眼経済塾 代表取締役塾長
※本稿は株式投資をする際に参考となる情報提供を目的としています。筆者の経験、調査、分析に基づき執筆したものですが、利益を保証するものではありません。投資に関する最終決定は必ずご自身の判断で行ってください。
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