①Lib Work(1431)
売上高の推移:1年6月期が94億円、22年6月期(予想)が145億円、23年6月期(予想)が160億円。増収率は、前期から今期が54%、今期から来期が10%。
大株主:(株)CSホールディングスが34.7%で筆頭株主。大株主の2位、3位は、代表取締役社長の瀬口力氏と常務の瀬口悦子氏でそれぞれ10%超。(株)CSホールディングスは、瀬口力氏と親族が株式を保有する資産管理会社(9/17時点)
■インターネット住宅販売の先駆け。「住宅版のユニクロ」になる可能性
Lib Workは、熊本県山鹿市にある注文住宅のメーカーです。特徴はインターネットによる住宅販売。昨今ではネットで家を売るケースが増えていますが、同社はその先駆け的な存在。技術的にVR(バーチャルリアリティ)の普及が追い風になりました。
もともと住宅販売は、モデルハウスを造ってお客さんに見てもらい、受注につなげるという流れでした。まずは、お客さんにモデルハウスに来てもらわねばなりませんから、ある程度人口が多い地域でなければこのビジネスモデルは成立しません。しかし同社はVRを活用した内覧会で、モデルルームがなくてもネットで住宅を販売できる仕組みを確立しました。これまでもCG(コンピュータグラフィックス)はありましたが、CGでは奥行きがわからずバーチャルな内覧はできませんでした。VRの進化によってその課題が解決されました。VRの内覧でネット販売できれば、余計なコストをかけずに日本全国どこでも展開できます。
同社に関して、四季報の情報で注目したいのが【特色】の欄にある「現在16店の営業拠点は関東、福岡中心に拡大し23年6月期に35店計画」という一文。
成長企業の多くは地方発が多く、まずは地元で成功し、その事業モデルをもって都市部に進出していくのが成功パターン。その代表格は、山口県のファーストリテイリング(ユニクロ)、群馬県のヤマダ電機、茨城県のケーズHDS、北海道のニトリ、埼玉県のサイゼリヤなどです。地方は物価が安いため、ローコストオペレーションを確立させる必要があります。その事業モデルを確立させたうえで、大消費地である都市部で展開すれば大きく成長できます。ユニクロやサイゼリヤなどによって、「衣」と「食」では誰もが安くてよいものを手にすることができるようになりましたが、「住」ではよいものを安く提供できる企業はまだないようです。Lib Workは住宅版のユニクロになる可能性を秘めています。