夫急逝の妻、今後の年金額「4割減」に衝撃…突きつけられるシビアな現実【税理士が解説】

夫急逝の妻、今後の年金額「4割減」に衝撃…突きつけられるシビアな現実【税理士が解説】
※写真はイメージです/PIXTA

夫亡きあと、遺族年金額のあまりの少なさに驚き、今後の生活を思って悲嘆にくれる配偶者の方は少なくありません。夫婦共働きで、潤沢な年金をもらってきた方ほど、その落差に驚くことになります。今回は65歳以上の遺族年金について、専門家が解説していきます。

夫死亡で、夫の老齢基礎年金&老齢厚生年金は「ゼロ」

相談者: それでも、老齢厚生年金がもらえるだけ、自営業の方よりも年金額は大きいですよね。

 

専門家:そうですね。その後、奥様が65歳になると、奥様も老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらえるようになります。老齢基礎年金は、ご主人と同額の月6万5000円くらいですが、老齢厚生年金は、ご主人のように定年60歳まで働いていなければ、その分だけ少なくなります。ここでは月3万3000円くらいだと考えましょうか。

 

相談者:定年まで共働きだと、老齢厚生年金をダブルでもらえるんですね。えーっと、合算すると…32万円! 毎月こんなに年金をもらえるんですか!? これだと、老後の生活費を心配する必要がありませんね。

 

 

専門家:しかし、ご主人が死んでしまうと、ご主人がもらっていた老齢基礎年金はゼロ、老齢厚生年金もゼロになってしまうんです。

 

相談者:えっ、半減ですか!? それでは奥様が生活に困ってしまいますよ!

 

専門家:そうですね。それでは生活が苦しくなるので、奥様は、遺族厚生年金が支給されることになるんです。

 

 

相談者:そうすると、奥様は、老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方がもらえるのですか?

 

専門家:そうなのですが、満額もらえるわけではありません。3つのパターンの金額を計算して、そのうち、最も高い金額が自動的に選択されることになるのです。

 

相談者:難しそうですね!

 

パターン①:妻の老齢厚生年金

パターン②:夫の老齢年金の4分の3

パターン③:夫の老齢厚生年金の半分 + 妻の老齢厚生年金の半分

 

 

専門家:ひとつは、妻の老齢厚生年金がそのまま支給されるケース(パターン①)。現役時代に奥様の稼ぎのほうが大きかった場合には、この金額となりますね。

 

相談者:うちは該当しませんね。

 

専門家:2つ目は、夫の老齢厚生年金の4分の3となるケース(パターン②)、たとえ4分の3であっても、奥様の老齢厚生年金よりも多い場合がありますよね、ほとんどのご夫婦はこのパターンが該当します。

 

相談者:うちはこのパターンでしょうね。

 

専門家:そして、3つ目は、夫の老齢厚生年金の半分と、妻の老齢厚生年金の半分を合算した金額です(パターン③)。仮に、夫の老齢厚生年金の金額が4分の3が135万円だとすると、それが最も高い金額となりますから、妻の老齢厚年金40万円を差し引いた残額95万円が遺族厚生年金として支給されるんです。

 

相談者:そうすると、奥様はいくら年金をもらえるようになるのですか?

 

専門家:老齢基礎年金が月に6万5000円、老齢厚生年金が3万円ちょっと、遺族厚生年金が8万円、合計すると18万円くらいだね。

 

相談者:ご主人がお元気だった頃は2人で32万円でしたから、4割くらい減額されてしまうんですね。遺族厚生年金が出るとしても、奥様の生活は苦しくなるでしょうね。

 

専門家:そうなんです。65歳以上のご夫婦の場合、これに驚かれるケースが多いようです。しっかりと理解しておくべきですね。

 

老齢基礎年金については、こちらの動画をチェック!

遺族厚生年金については、こちらの動画をチェック!

老齢厚生年金については、こちらの動画をチェック!

 

 

大貫 友久(おおぬき ともひさ)
税理士
吉岡マネジメント・グループ/税理士法人日本会計グループ 代表社員・理事長

 

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