(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資産の形成をするには、リスクヘッジと収益の最大化のためにポートフォリオを組まなければなりません。最近では生命保険でも当たり前のように外貨建てが取扱われるようになり、アメリカのETFが注目されていることによって、やっと日本人にも外貨での資産形成が根付いてきました。今回はポートフォリオについて、金融商品のポートフォリオではなく、「通貨のポートフォリオ」という切り口で解説をします。

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安定性・影響力大…持っておきたい「国際通貨」

当たり前ではありますが、日本人は日本円で収入を得ています。外貨建ての商品の取り扱いが増えたといっても、一般的なものはアメリカドルでの投資であり、その他の通貨での投資は増えていません。

 

そもそも日本円とアメリカドルだけのポートフォリオでリスクヘッジはできるのでしょうか。

 

一般的に国際通貨とは、国際通貨基金(IMF)のSDRに採用されている通貨のことをいいます。採用されているのは、アメリカドル、ユーロ、中国元、日本円、ポンドです。

 

国際通貨基金(IMF)は加盟国のリスクヘッジのために採用した外貨を準備しています。リスクヘッジという意味で、個人の資産形成においても参考になる通貨のポートフォリオだといえるでしょう。

 

国際通貨基金(IMF)のSDR比率は、アメリカドルが一番多く、ユーロと合わせると7割を超えます。日本円は一時期比率が3番目に多かったのですが、2016年に中国元が採用されてからというもの比率が8%程度に下がっています。アメリカドルやユーロの比率も下がっており、中国元が国際的に影響力を増していることがわかります。

 

国際通貨は比較的ボラティリティも小さいため、長期でリスクヘッジをするにはオススメです。逆に国際通貨ではない新興国の通貨は、銀行金利が高いものの、ボラティリティが大きいため長期でリスクヘッジすることはできません。

 

老後資産形成のためには長期でリスクヘッジをする必要がありますが、通貨のポートフォリオを国際通貨基金(IMF)のSDR比率を参考にするのであれば、アメリカドル4割、ユーロ3割、中国元、日本円、ポンドを1割ずつ持つことでリスクヘッジができます。

 

つまり、いま流行っているアメリカのETFだけでは長期的に十分なリスクヘッジができないのです。

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