【関連記事】「2000万円」を貯めても老後不安が解決できない根本理由
家賃収入がもたらすプラスアルファの効用
不動産投資によって収入源を作るメリットは、金銭的な安定や余裕を得られるだけではありません。わたしの会社のオーナー様のお話からは、それ以上のプラスアルファの効用があることがうかがえます。
■経済的自由を達成して一番良かったことは、心の余裕
オーナー様向け調査では、経済的自由を達成した方にある質問をしています。それは、『経済的自由を達成して一番良かったと感じること』です。
自由記述で回答いただいたこの項目で、最も多く挙げられたのは『精神的な余裕』で、次いで『時間的な余裕』『金銭的な余裕』となりました。
サラリーマンとして働いている以上、自分の気が向かない仕事をすることになったり、上司・同僚・部下・取引先等との人間関係のストレス、会社の業績不振に伴うリストラの不安といった精神的な負担からはどうしても逃れられないのが事実でしょう。
家賃収入という給与とは別の収入の柱があることで、耐えられなくなったら「この仕事、辞めます!」というカードをいつでも切れるという安心感は、わたしたちが思っている以上にプラスに働く側面があるのかもしれません。
■ベーシックインカムの実験が示す継続収入がもたらす効用
ここ数年、日本でもベーシックインカム(BI)について言及されることが増えてきました。BIとは、年齢・性別・所得の有無を問わず、すべての人に一定額の現金を支給するという制度の考え方です。海外ではすでに社会実験が行われている国もあります。
フィンランドでの社会実験では、ランダムに選ばれた失業者2000人に毎月約7万円が支給されました。あくまでも失業手当ではなく、職が決まっても支給されると確約されていたものです。
支給の結果、経済的に余裕が出たのは言うまでもありませんが、プラスアルファの効果も確認されています。それは、健康と幸福面です。BIを支給されていない人たちと比較して、参加者は健康やストレス、気分と集中力に関する問題が少ないことがわかりました。
また自分の将来への信頼感と、将来を変えられる自信度が高かったことが明らかになりました。
つまり、経済的な安定が人生をよりポジティブに捉えるきっかけとして機能しているのです。
とはいえ、BIの実行にあたっては、越えなければならないハードルが山ほどあり、日本において導入を期待するのはまだまだ非現実的でしょう。