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「医学部専門予備校」がカバーしてくれる範囲は…
しかし、講師が膨大な数の受験生をサポートするには限界があります。「受験生達を確実に志望校に合格させる」ことへのアプローチが、「勉強のみ」に特化するのは当然ともいえますし、その接点のみに絞った方が、言い方は悪いですが正直ラクでもあります。
また生徒と面談をおこなう担当社員が文系出身者である場合も多く、実は理系についてよくわかっていないことがあります。そのためどうしても模試の成績データをもとに「これならいける」「この数字では無理」と一律に判断を下すことになるため、評価コメントがシビアになりがちなのです。
担当社員が模試の答案用紙まで見てアドバイスをすることもほとんどありませんから、クセのない大手の記述模試でかなり高い偏差値を叩き出していても、本番で「全落ち」することはよくあります。
予備校の方向性として、上位陣の生徒をしっかり合格させていくことに関心が高いため、自分ではい上がる覚悟があり、常に厳しい競争を意識する環境に身を置きたい人には向いています。自己管理がしっかりしており、自分で自分を奮い立たせることができる受験生なら、有意義な場であることは間違いありません。
逆に、「高校はどちらかというとトップ進学校ではなかった」とか「それなりの進学校ではあるが高校時代は上位の成績とは縁がなかった」生徒が「指導によって偏差値を上げ、逆転合格を勝ち取る」ことを希望しているのなら、大手予備校は、無理ではありませんが少し厳しい環境であるといえるでしょう。
特にコロナ禍で過ごした受験勉強の中、不合格の繰り返しで自信をなくしてしまった受験生にとっては、留意したいポイントです。
一方医学部受験に特化した予備校は、少人数クラスやマンツーマンで親切に勉強を見る傾向が強いため、受験に失敗をして自信をなくし、「勉強の仕方がわからなくなった人」「模試ではよいが本番に弱く、自分の弱点を修正しきれていない人」に向いている環境といえます。
もちろん専門予備校の講師陣も、学歴も経歴も立派であり、医学部受験に向けての高い指導力をもっています。個々のレベルが高いことは専門予備校の講師についても同じです。
また生徒と講師との距離が近いため、勉強の進捗を気にしてもらえたり、分からない箇所を親身に教えてもらえたりすることも、もちろん期待できます。
大学ごとの入試傾向をよく分析していて、全国のオープンキャンパスにまで足繁く情報収集に出かけるような熱心な担当者も多いです。また、1人ひとりに目が行き届いていることから、大手予備校では本人に任されがちな、手厚い体調管理・メンタルケアも受けられます。